第68話 絶対防御 ページ21
「やっぱなんでもアリだな。さすがウチの大将だ」
サカグチ・ヒナタとリムル様の一騎討ちの勝敗が決まった際、ベニマル様がそう言ったが、あたしは彼女が持っていた剣の柄から発せられた攻撃に違和感を覚えた。自分が持つ並列思考の能力
ヒナタがリムル様を突き飛ばした結果、彼女が攻撃を受ける形になり、完全回復薬が効かない。仲間が言うには、魔素に関するものは分解され、無効化されるらしい。そこで治癒魔法が使える仲間が駆けつける中、誰かが彼らを
《若様。彼らの仲間の中に裏切り者がいるかもしれません》
《わかった。気をつけろよ。A》
ヒナタの側にはリムル様がおられるから良いとして、彼らの仲間に近づき、足元の影を伝って髪の毛一本分の『影の糸』を作り、様子を見る。すると、ギャルドと呼ばれた男がレナードを槍で突き刺す動きを見せたので、神経を操って地面に切っ先を向けたついでに右手を離し、得物を吸収した。
「命拾いしたな。レナード殿」
「……か、かたじけない」
化けの皮を自ら剥がし、正体を現した七曜の一人に、文字通り矛先を向ける。どうやら主のリムル様も同様の考えに至ったらしく、我々鬼人族に命令が下った。
「ベニマル！ ソウエイ！ A！ シオンと共に、七曜を捕らえろ!! 抵抗するなら、実力行使も許可する!!」
「待ってたぜ。その命令を」
「リムル様のお望みのままに」
「了解」
七曜の面々は、しらばっくれて自分達が被害者のごとく全面戦争の可能性を示唆したが、リムル様は伝言を書き換え、和解をさせなかったことを指摘されると、顔を覆い隠した布の向こうで表情を変えたことは容易に解る。さらに、大司教レイヒムを殺した罪を執事のディアブロに着せた濡れ衣も重なり、赦しがたい行為がレナード達の前で増えていく。それらが明るみに出ると、老師達は開き直って笑い声をあげ、虫の息であるヒナタに攻撃をしかけようとした。
「よく回る口だな。
三人の老師によって大規模魔法陣を展開されるが、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 341人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
竜胆(プロフ) - 葉月さん、ありがとうございます。ようやく三竦みの戦いになりましたので、楽しみにして下さい。更新頑張ります。 (2023年5月4日 17時) (
レス) id: 2d2249a2d0 (このIDを非表示/違反報告)
葉月 - いつも楽しく読ませていただいています！これからも応援してます更新がんばってください (2023年5月3日 23時) (レス) id: 63cb68265f (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 栞を挟んで下さった方が、300人を越えました。更新頑張りますので、よろしくお願いします。 (2023年1月4日 8時) (レス) id: 2d2249a2d0 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - いつの間にか百票突破！ 皆さん、ありがとうございます。 (2021年9月9日 1時) (レス) id: 2d2249a2d0 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 気がついたら、お気に入りにして下さる方が200人越え。ありがとうございます！ (2021年3月27日 15時) (レス) id: 51177a25d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：竜胆 | 作成日時：2019年5月13日 23時
