第59話 酒の肴 ページ12
「ベニマル君。グルーシスとゴブタが言ってた話を、君の口から直接聞きたいな〜」
「……やっぱり、聞き逃しては下さらなかったんですね」
「当然だろ。面白い事には、とことん首を突っ込む
「いや、リムル様。そこで胸張られても、俺は個人的に困ります」
胸中で焦燥と諦めが混濁した妙な感情を奥底に押しこみ、口の軽いガビルとゴブタを除いて、あの部屋に居た者達と、なぜかシュナと爺もリムル様の自室前に待機していた。
「さァ、中に入ってくれ。この際だから、果実酒も振る舞うか」
俺の話を完全に酒の
「よし。ここで氷を入れたら、せっかくの味が薄まっちまうからな」
ふんふんと鼻歌を歌いながら、代わりに凍らせた果実をそこに投入。さらに、冷凍した果実と同じ果実酒を注ぎ終えた酒器を全員に景気良く配り、全ての準備が完了する。
「俺達の準備は整った。あとはお前が話すだけだぞ。ベニマル君」
「……どうしても、ですか？」
俺の問いに誰も返答しない代わりに笑顔で無言の圧力を受け、結局根負けした。
からん、と丸い果実の氷を硝子の酒器の中で鳴らしたのを合図に、リムル様の視線がヨウムに注がれる。それを機に、ヨウムが問いかけてきた。
「まず、どんな状況で
「先程の惨劇の最中だ」
「へェ。それで？」
「俺が駆けつけた時には、Aが自分のスキルである『
説明しながら、あの状況下で下した判断と、自分の家臣であるはずの彼女の同意もなしに口づけをしてしまった罪悪感。薄紅色の唇の柔らかさを思い出して、気恥ずかしさで思わず赤面する。
「で。Aの反応は？」
「……我には返りましたが、普通に振る舞っていました」
『ああ……』
そこで彼らはようやく納得したり、悲痛な表情を浮かべるが、『男として見られていない』という疑問が脳裏を
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 341人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
竜胆(プロフ) - 葉月さん、ありがとうございます。ようやく三竦みの戦いになりましたので、楽しみにして下さい。更新頑張ります。 (2023年5月4日 17時) (
レス) id: 2d2249a2d0 (このIDを非表示/違反報告)
葉月 - いつも楽しく読ませていただいています！これからも応援してます更新がんばってください (2023年5月3日 23時) (レス) id: 63cb68265f (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 栞を挟んで下さった方が、300人を越えました。更新頑張りますので、よろしくお願いします。 (2023年1月4日 8時) (レス) id: 2d2249a2d0 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - いつの間にか百票突破！ 皆さん、ありがとうございます。 (2021年9月9日 1時) (レス) id: 2d2249a2d0 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 気がついたら、お気に入りにして下さる方が200人越え。ありがとうございます！ (2021年3月27日 15時) (レス) id: 51177a25d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：竜胆 | 作成日時：2019年5月13日 23時
