プロローグ ページ2
「彼女が、業火の錬金術師…!?」
彼女――A・ウルフ――と出逢ったのは、イシュヴァール殲滅戦の時だった。
「着実に戦果を挙げてるみたいだ」
「歳は？」
「『鷹の目』と同期。18歳らしい」
私の横で説明するヒューズは、哀しそうな顔をしていた。
「これは噂だが、小娘の命令が気に食わない男共が、夜這いを決行したそうだが、事に及ぶ前に全員灰になったと聞いたぞ」
「味方にすら手をかけるのか…。いや。女性を襲っている時点で、最低な輩だな」
必要とあらば、平気で人を殺める。
それは、今の自分にも当てはまっていた。
「ロイ。気になるなら、今日連れてきてやろうか？」
「勝手にしろ」
この緊迫した状況で、弾んだ声を出す戦友を前に、私は溜め息をつく。
『業火』は、黒髪に琥珀色の瞳を持った少女だった。
「リザの援護で命拾いしたよ。ありがとう」
「…お礼なんて要らないわ」
「ただ言葉にしたいだけだから、聞き流してもらって構わない」
業火は、戦場という過酷な環境で、安堵からくる微笑みを浮かべ、射撃の腕を買われた鷹の目は、
狙撃銃を抱えて何も食べないホークアイ君に対し、暗い空気など何処吹く風といった様子で、携帯食を食し、苦いコーヒーに顔をしかめて飲む余裕のあるウルフ君に、顔見知りのヒューズが声をかけた。
「なぁ、Aちゃん。二つ聞きたい事があるんだが、フェスラー准将をどう思う？」
すると、それまでリラックスしていた雰囲気が消え、目が据わった。
「クズです。あれは、上に立つ人間じゃない」
堂々と言ってのけた彼女の意見に、周りの兵士が、
「この劣勢をひっくり返すためには、どうしたらいい？」
「簡単な事ですよ」
コーヒーが入っているコップを、両手で持ってゆっくり揺らしながら、淡々とこう言った。
「劣勢を理由に射殺。流れ弾に当たったと処理すればいい。戦時中だからこそ、将校が一人くたばっても、何もおかしくない。しかし、これを処理するには、相応の階級と支持されるだけの、まともな上官が必須。以上です」
ここまで聞いた者達の士気は、一気に高まり、その瞳に生気が宿った。
「君の策に賛同しよう。私は、ロイ・マスタング。階級は、少佐だ」
「ああ。貴方が、焔の錬金術師ですか。はじめまして。A・ウルフです」
この時、私は彼女の秘密を何一つ知らずに、握手を交わした。
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竜胆(プロフ) - お気に入りに入れて下さる方が、100人になりました。皆様、ありがとうございます。更新できるよう、頑張ります。 (2月11日 19時) (
レス) id: 2d2249a2d0 (このIDを非表示/違反報告)
EMIKO(プロフ) - わかりました!!やってみます!!アドバイスありがとうございます!! (2019年8月4日 15時) (レス) id: 04697b5525 (このIDを非表示/違反報告)
更新頑張ってください - 多分以下の方法でできると思われるのですが試したことは無いので違ったらすみません (2019年8月4日 0時) (レス) id: e40e430b96 (このIDを非表示/違反報告)
ずっと読んでまして。お節介かもですが - EMIKOさん、占ツクに投稿しようとしているのはスマホからですか? パソコンからなら上手くいくかもしれません。それでダメならEMIKOさんがTwitterであげた絵のURLを竜胆さんに教えて、竜胆さんが占ツクからアップロードするという手もあるかもしれません。 (2019年8月4日 0時) (レス) id: e40e430b96 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - EMIKOさん» あと、私が知っているのはピクシブくらいですね。あまりアドバイス出来なくて、ごめんなさい。 (2019年8月4日 0時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：竜胆 | 作成日時：2019年3月27日 0時
