第14話 誘導尋問 ページ16
「お兄様はどうされてましたか?」
「両手で顔を覆い隠されていましたが、それが何か?」
「いえ。こちらの話です」
「そうですか」
リムル様と姫様は、若様絡みで何かを企んでおられる。
着せ替え人形にされていた時、あんな
こちらが不快に思わないない限り、お二人の企みに。この茶番劇に付き合おう。
「ねぇ、A。あなたは、お兄様の事をどう思いますか?」
「なぜ、いきなりそんな事を?」
「こうして一緒にお風呂に入る機会なんてなかったでしょう? 長風呂のついでです」
姫様の問いに考える素振りをしながら、質問の真意を聞きかねる。
「今のところ忍耐力が足りませんが、鬼人だけでなく、仲間を想う人柄は素晴らしいです」
「他には?」
「……他、ですか。……あ」
魔都でもあまり接点がないため、数百年分の記憶を巡らし、ふと、数時間前の食事の光景を思い出した。
「案外甘党なのだと知って、
感じた通りの事を告げると、姫様とシオンから生暖かい視線をもらった。
「はい。次」
「あー……。鍛えられているから当然ですが、腕が
今度は二人して『ほほぅ』なんて言っている。本当になんなんだ?
「次は?」
「時々見かける程度ですが、笑顔が素敵だと思います」
もう、この時点で二人の笑顔が怖い。ひとしきり肩を揺らして笑われた後、姫様があたしに告げた。
「『時々見かける程度』なんて言った割には、しっかりお兄様の事を観察していますね」
「……そうですか?」
すると、あからさまに二人の鬼人の表情が曇る。いや。これは何かに落胆している。シオンに至っては、思い切り舌打ちまでされた。
「なんて
「気づくのはいったい
「私はいつまでも待ちますよ。その過程が一番の醍醐味ですから!」
興奮気味な二人の会話についていけないミリム様とあたしは、完全に置いていかれているというのは理解できる。
「あたし達は上がりますが、お二人はどうされますか?」
「いいえ。私達も
姫様は風呂上がりも上機嫌であたしの髪を乾かし、シオンは
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竜胆(プロフ) - 200回の投票を頂き、ありがとうございます。 (2023年3月8日 19時) (レス) id: 2d2249a2d0 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - お気に入りに入れて下さる方が、再び400人に到達! ありがとうございます。更新できるように頑張ります。 (2020年2月2日 21時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 瑠亜@影月さん» 瑠亜@影月さん、コメントと応援ありがとうございます。心変わりしてしまうほどとは(笑)もう話が一杯になったので、ただいま続編に向けて考案中です。更新できるよう頑張ります! (2019年5月13日 1時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
瑠亜@影月 - 私はソウエイが推しキャラだったんですが、若様に心変わりしてしまいそうです(笑)これも竜胆さんの文才の力ですね!これからも更新頑張ってください! (2019年5月12日 21時) (レス) id: 9b9cc1c6b7 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 紫癸さん» 紫癸さん、コメントと応援ありがとうございます。お褒めの言葉も重ねて感謝します。ただいまコミック版最新話の展開を待機している状態なので、もうしばらくお待ち下さい。必ず更新します。 (2019年4月11日 22時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜胆 | 作成日時:2018年12月1日 1時