第9話 討伐と魔人 ページ11
「シオンとおそろいだな」
「そうですね」
Aは、1番上の留め具を外した白シャツを着てはいるが、上着のボタンは全て外し、前を開け放して談笑していた。落ち着いているように見えるが、襲撃がないか常に周囲を警戒している。
野営の予定が急遽中止になり、ランガ達の影移動によって、
「痴れ者め」
「おい。そいつからは情報を――」
彼の忠告も聞かず、大太刀を振り上げるシオンを前に抜刀せず、鞘に入った状態で止めに入るAがいた。
「シオン。ソウエイの言葉が聞こえなかったのか?」
「リムル様を前に、不敬な態度を取ったのですよ?」
「ああ。でも、
その笑みは、誰もが恐怖を抱くほどの狂気をおび、至近距離で目の当たりにしたシオンは腰が抜け、柄から手を離してしまったほどだ。それを横に、リムル様は娘を首領代理として同盟を締結。彼らを窮地から救う事を決断される。
久しぶりの戦場に立つ事になるが、今まで妹の護衛をしていたAは、今回が初陣だ。しかし、俺の心配など露知らず。糸と影を、持ち前の身体能力と武術で自在に操って戦場を軽やかに駆け、舞い、赤い華を咲かせ続けている。
「黒豚が逃げたぞ。A」
「了解」
地を蹴り、クロベエが鍛えた打刀で、
順調に見えた討伐は、ある魔人によって中断され、うるさく
「そんなもんじゃないぞ。親父は、俺とシュナを逃がすために死んだ。親父だけじゃない。多くの仲間が、生きたまま喰われた。そんな程度の痛みじゃなかったはずだ!!」
頭上から一本の血濡れの刀が降ってきた。
「やぁ、久しぶりだな。ゲルミュッド」
右腕を肩の付け根から貫いたその上に、容赦なく片足で一気に体重をかけていくAは、
「お前に、とっておきの土産をやる。同胞が受けた痛みと苦しみを身をもって知れ」
その直後、魔人の体が痙攣し、気絶した。
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竜胆(プロフ) - 200回の投票を頂き、ありがとうございます。 (2023年3月8日 19時) (レス) id: 2d2249a2d0 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - お気に入りに入れて下さる方が、再び400人に到達! ありがとうございます。更新できるように頑張ります。 (2020年2月2日 21時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 瑠亜@影月さん» 瑠亜@影月さん、コメントと応援ありがとうございます。心変わりしてしまうほどとは(笑)もう話が一杯になったので、ただいま続編に向けて考案中です。更新できるよう頑張ります! (2019年5月13日 1時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
瑠亜@影月 - 私はソウエイが推しキャラだったんですが、若様に心変わりしてしまいそうです(笑)これも竜胆さんの文才の力ですね!これからも更新頑張ってください! (2019年5月12日 21時) (レス) id: 9b9cc1c6b7 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - 紫癸さん» 紫癸さん、コメントと応援ありがとうございます。お褒めの言葉も重ねて感謝します。ただいまコミック版最新話の展開を待機している状態なので、もうしばらくお待ち下さい。必ず更新します。 (2019年4月11日 22時) (レス) id: ce36bc58b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜胆 | 作成日時:2018年12月1日 1時