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そのまま手を繋いで私たちは教室へ入った。




着いた頃には乙骨くんは湯気が出そうなほど真っ赤になっていた。






「朝から熱いな」





なんてパンダくんに言われると、『そんなことないよ』とにっこり笑い、さりげなく手を離す。



狗巻くんや真希に挨拶をしたら、迷いなく自分の席に座る。




席に着くと真希に「お前と憂太どういう関係だ?」とにやにやされながら聞かれ、『秘密』と答える。





「すじこ」






『やだなー。あ、でもみんなが気になるようなことは何もないよ?』




『そうだよね?』と乙骨くんに目を向けると、困り顔をして「う、うん」と小さく笑った。





「憂太はヘタレだからなぁ」





「しゃけ」






「え?!2人とも酷いよ!!」





がーん!とショック音が付きそうなほどの表情をする乙骨くんに私たちは笑った。








ちょっとしたら五条先生が入って来て、場が冷めたのはまあ、うん。







×





昼からは訓練だった。




ペアになってやるらしく、運良くなのか悪いのか、私は乙骨くんとになった。





『よろしくね』




「う、ん、よろしく」




『いいよ』と言えば、木刀を構えた乙骨くんが素早く斬りかかってくる。




乙骨くんの攻撃速度は入学当初と比べるとずっと速くなった。



でもまだ、油断や隙がありすぎる。




素手で難なく受け止めたあと、呆けた乙骨くんには隙が生まれる。




すかさず私は持っていた訓練用の__いやおもちゃのナイフで乙骨くんの頭をコツっとつついた。



にっこりと笑う私に、マヌケ顔の乙骨くん。




『はあい、乙骨くんの負け。』




「ぇ」





『やってみたかったんだよね、真希がやってたから』





といって、刃が出し入れできるナイフを引っ込ませたりして遊ぶ。





へらへらと笑っていると、急に視界に青い空が満遍なく写しだされる。





どうなっているんだ。と考えるが、答えが出るのにそう時間はかからなかった。




背中と地面はぴったりとくっつき、先程まで青い空を映していた視界は近距離に乙骨くんの顔を捕える。



『え、っと』



「今度はAさんの負けだね」



顔の真横には木刀が突き刺さっていた。



どうやら私が余裕に浸っているうちに、乙骨くんにまんまと体勢を崩され、今に至るらしい。油断や隙が多いのは私だ。






『やるじゃん』




「まあね」





ちょっとうるさい心臓。




静かにして。




乙骨くんにバレちゃう。

3話:暑くて熱い→←2話:油断大敵



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nana(プロフ) - ぇぇえ面白そう!!好き!応援してます!! (2022年1月24日 18時) (レス) @page8 id: 7f38ffe42c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めぐ | 作成日時:2022年1月16日 20時

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