いちごミルク(2) (ページ28)

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。。。。

「好きだよ、A」

…確かに、そう聞こえた

これは、告白？

確かめたくて、ウジンに聞き返したけど
「ん？」って微笑んで、そのまま花火の方をみている

それから何もなく、花火が終わり
ただただ家に向かって私たちは歩いている

さっきの言葉は聞き間違いだったのでしょうか

私の、妄想だったのでしょうか

いつもの公園の前に差し掛かったとき、
ウジンが「ちょっといい？」と言ってそのまま公園に入った

ベンチに腰掛けて、ウジンはペットボトルのジュースを飲んで
私はまた緊張してただ太ももに置いている自分の手を眺めた

「A…？」

ふいに私の名前を呼ぶウジンの声にドキッとして
太ももに置いている手に力が入る

『…は、はい…』

チラ、とウジンのほうを見ると彼は真っ直ぐ、私の目を見ていて
グッと緊張が高まった

「さっき俺が言ったこと、聞こえてたよね？」

…好きだよ、って言った…？

なんて聞けなくて。間違ってたら恥ずかしいし。

『な、なんか花火の音にかき消されちゃったというか、
なんか、うん。よく…わかんなかっ…たっていうか…』

確信が持てなくて、ちゃんと言えなくてごめんなさい
自分に自信がないのは昔からなんだ…(笑)

するとウジンの手が私の手を包んだ
ウジンの手はあたたかくて、でもちょっとだけ震えてて
ウジンも緊張してるんだって伝わってきて。

逸していた目を彼のほうに向けると、
ウジンは少し下唇を噛んでやっぱり緊張してて。

「本当はちゃんと聞こえてたでしょ？(笑)
自信持って？間違ってないから。」

フフッて笑ってそう言った

全部全部バレている

『……う…うん…』

もう、あとには戻れない。引き返せない。

ずっとずっとこの日を夢見てきたけど、怖い。

ドクン、ドクンと心臓は大きく鳴ってウジンに聞こえていそうで
緊張で苦しい。

「…好きだよ、A」

今度は確かに、しっかりと確実に
ウジンの低くて優しい声が聞こえた

今までのつらく苦しい感情と、
幸せな感情が渦巻いて、私の心はぐちゃぐちゃになって

気づいたら涙が頬をつたっていた

「…A？大丈夫？」

ウジンの指が私の涙を拭ってくれて
思わずウジンに抱きついた

『…私も、ずっと好きだったよ』

そう言うとウジンは抱きしめてくれた
ウジンの匂いがして幸せで

「うわあ…まじで緊張した…」

耳元で聞こえる低い声がとても心地よかった

好きだよ、ウジン