北の国では2［ゴールデンカムイ］ (ページ50)

今日:9 hit、昨日:8 hit、合計:39,192 hit

94話ページ50

杉元がやっと水面から顔を出した

『海賊は！？』

よく見ると外輪に長い髪の毛が絡まってる

その髪を杉元が銃剣で切って助けた

船長が外輪が破損した所為で着岸できないと言ってきた

白石がなだめてるけど…

アシ「杉元、平太が持ってた砂白金を…」

杉元「ああ、そうだな。さて…海賊房太郎と手を組もう」

白石「は？」

『……』

海賊「俺の情報がほしくて助けたのか？若山の親分の話を聞いて予定変更ってこと？」

杉元「いいや、刺青人皮探しは継続する」

海賊「じゃあ囚人探しを手伝えと？俺は暗号解読に期待してないと言っただろ？」

杉元「今現在、殆どの刺青人皮を押さえてるふたつの勢力がいる。土方歳三と鶴見中尉…あの切れ物のふたりが刺青人皮集めを継続しているという事実は無視できない」

白石「確かに」

『今は手を組むしかないということか、杉元がそういうなら僕は従うよ』

海賊「でも本当は俺に情が湧いたから助けたいんだろ、杉元ぉ〜…わかった、俺の情報は刺青人皮が集められたら教えてやる」

白石「後悔すんなよ杉元、いざ金塊が見つかったら独り占めされるかもよ」

アシ「それお前の話か？」

白石は渋い顔をした

白石「あ、頭巾ちゃんが流れてきた」

頭巾ちゃんの乗っていた小さな船にみんなで乗り込む

『頭巾ちゃん、寂しかったろ？』

頭巾「フンフン…」

相変わらず感情が読めないし

何しろこちらの言葉が伝わっていない

海賊「このお嬢さんとはどういうご関係なの？」

杉元「…案内人さ、北海道の」

海賊「ふーんでもめちゃくちゃ怒ってたじゃん、さっき…危ねえだろアシㇼパさんが！って。よほど大切な人かと思ったぜ」

アシ「………」

海賊は

何となくだけど

根から悪い奴とは思えない…気がする

先ほどのチョウザメの群れから一匹獲って食うことにした

アシㇼパさんが綺麗に捌いてくれている

杉元「ひえ〜すごい量の魚卵！」

アシ「ユペは基本的に肉も全部生で食べる。この黒い卵は他の部分と一緒に煮込んで食べたりする。もちろん脳みそも食べる！すぐ食べさせてやりたいんだけど…すごく硬いからちょっとまて！ごめんな？杉元…ごめんな？」

アシㇼパさんの小さい手でチョウザメの頭に刃を入れて行く

杉元「んも〜早くしてえ？」

待ちきれない様子か、杉元の目がキラキラ輝いている