北の国では2［ゴールデンカムイ］ (ページ38)

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87話ページ38

『霧が出てきたな』

アシ「杉元！やっぱり近くのコタンに戻って霧が晴れるまで待とう！」

白石「転んじまったら治りかけの骨がまたおれちまうぞ！」

杉元「大丈夫、平気だよ」

霧がどんどん濃くなっていく

『あれ？杉元？』

後ろをみると杉元の姿がない

『アシㇼパさん！杉元がついてきていない！』

アシ「足跡を探そう」

離れない程度に探す

アシ「あいつ笹の上を歩いたから足跡が見つからない」

白石「杉元〜どこだ〜」

アシ「一旦コタンへ行こう、霧が晴れたら探すぞ」

『そうだな、このままだと僕たちも迷いかねない』

***
二日、三日…そして一週間経った
やっと霧が晴れてきた

杉元のことだ、戦争にもでている

山で過ごすくらいどうってことないだろう

アシ「そろそろ探しに行ってくる」

『生きてるかな』

白石「大丈夫、あいつ不死身なんだろ」

アシㇼパさんに連れられて合流した杉元は

なんだか別の意味でゲッソリしていた

『大丈夫か？』

杉元「うん…友達になったシマエナガを…」

『……』

シマエナガと

友達…？

『アシㇼパさん、はやくチセに入れてやろう。錯乱しているようだ』

アシ「そうだな。杉元、こい」

アシㇼパさんに連れられてチセに入った杉元

よくわからないが正気ではない

きっとはぐれて寂しかったんだ

その後杉元はコタンのアイヌが出してくれた飯を泣きながら食っていた

よほど腹が空いていたんだな

『杉元、ゆっくり食え』

杉元「ううう…」

白石「ダメだこりゃ」