9話 季節は流れ ページ10
私A・クラエスは姉と共に九歳になった。誕生日プレゼントはお父様からは本、キースからは花束、お母様からは姉と同じく、マナー本を貰った。
「(正直私は姉よりはマナーがなっている方と思うのだけど……)」
比較対象が姉の時点でかなり可笑しい気がするが。ちなみにお父様は盛大に誕生日パーティーをする予定だったらしいが私も姉もお母様も嫌がって没になった。
「(でも、社交界へのデビューとなる十五歳の誕生日には公爵家の面子としてパーティーを開かなくてはいけない……)」
正直言って面倒くさい。私は目立ちたくないし、将来は魔法省に就職しようと決めているし、結婚についても特に考えてなどいない。
「(その為には勉強をしないといけない！)」
魔力もキースに負けているし、勉強だって負けている。体力すら姉に負けているのだから。もっと頑張らないといけない。
「(……そうよ。魔法省に就職するのだから！こんな簡単に入れさせて貰えないのよ！)」
いくら、公爵家の娘であれ魔法省はエリートが通う職場だ。沢山のものを求められるだろう。
「…頑張ろう」
私はそう言ってノートを広げた。
ーー
ー
「姉さん、ずっと作業で疲れたんじゃない。ちょっと、こっちで休憩しようよ」
「そうですよ。カタリナ、こちらで少し休まれたほうがいいですよ」
休憩がてら姉の畑を見ていたら二人の声が聞こえてきた。ジオルド様とキースが火花を散らしているのにも関わらず姉は私の姿を見るなにこう言った。
「あ！A！勉強もう終わったの！？」
そう言って姉は嬉しそうに私を見つめている。
「…ええ。終わりました。でも、もう行きます」
後ろから戸惑いの声があるような気がするが、知ったとこでない。私は、姉と仲良くする気は一切ないのだから。
ーー
ー
「カタリナ、A。お茶会の招待状が届いているのだけど、行ってみるかい？」
家族で夕食を食べていると、突然お父様がそう言ったが、お母様はお父様に勢いよくこう言った。
「無理です旦那様！！カタリナはこの通り…マナーがなっていないのです！Aだってまだ完璧ではありません！」
確かにそうだ。姉よりはマナーがなっていると思うが完璧ではない。だから、お母様の言葉に反論は出来なかったが……結果的にキースと一緒にお茶会に参加することになった。
「……(姉の威厳がなさすぎる)」
この前、いつでも私に頼って、と言ったはずなのに……私はため息を吐いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 201人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原作沿い」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かんな(プロフ) - moekaさん» コメントありがとうございます。返答が遅くなってすみません (2023年2月9日 5時) (
レス) id: 7fdba7923c (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新がして下さると嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2022年3月11日 15時) (レス) id: e6820645c8 (このIDを非表示/違反報告)
花宮(プロフ) - 花音さん» お待たせしてすみません……！そしてコメントありがとうございます！勿論、夢主も幸せになりますよ！ (2021年9月18日 16時) (レス) id: 7fdba7923c (このIDを非表示/違反報告)
花音 - 花宮さんお久しぶりです( ≧∀≦)ノ夢主ちゃんもどうか幸せになって欲しいです(ToT)読んでいても凄く辛いです(ToT) (2021年9月17日 2時) (レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
花宮(プロフ) - レーニャンさん» コメントありがとうございます！返信遅れてすみません！ (2021年2月25日 16時) (レス) id: 7fdba7923c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花宮 x他1人 | 作成日時：2020年12月3日 23時
