【HQ】絶対的エースを崇敬しています【白鳥沢】 (ページ45)

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全国は怖い② ページ45

話通じない辛い、と項垂れていると

「ひかり、お前置いてかれたらすぐ迷子になるんだから早く行くよ」

と、片腕を太一が掴んだ

『私子どもじゃない』

「仙台の体育館でも迷ってたくせによく言うよね」

『あそこでかいもん』

「ここのがでかい」

あれは迷ったわけじゃない
トイレ行ったらバスへの戻り方分からなくなったとかそういう訳じゃない

「なんやひかりちゃんの彼氏か？」

「『違います』」

「二人揃って、えらい仲ええな？」

「俺はこんな野ゴリラ無理です」

『私も牛島さん以外無理だから』

「一生彼氏できねえぞ」

野ゴリラって聴いた瞬間宮侑が吹き出した

お前らまじで許さないからな

「おいツム、お前なにしてんねや」

「おーサム」

出た…宮ツインズ

2人並ぶとどっちがどっちだか分からなくなった

「他校のマネに手出すなや。北さんキレてたで」

「え、ほんま？やばい絶対怒られてまう」

「ほんま堪忍な、こいつ阿呆やねん」

多分こっちが治って人
治は侑と違って真面目なんだな

『大丈夫です知ってます』

「悲しいなあ。次喋った時はちゃんと連絡先教えてな！」

『絶対嫌！今度話しかけてきたら股間もぎ取るんで』

「えげつないな」

治に引っ張られまたな～と手を振って去る侑

「嵐みたいな人だな」

『あんなちゃらんぽらんでも、試合になると厄介になるの本当にずるいよね』

「惚れてんの？」

『頭腐ってる？』

てか、ずっと太一に腕をつかまれたままだ

長いやり取りのせいで完全にみんなが見えなくなってしまった

『太一、腕』

「え？あー、離したらひかりどっか行きそうじゃん」

『完全に犬扱い』

「いや、野ゴリラ扱い」

流石に女子に言う言葉じゃない

私の腕を掴んでいる太一の腕にしっぺをして、早く行こうと歩き出す

「荷物持とうか」

『大丈夫。これは私の仕事だから』

太一はこういう紳士的なところある

というか、部員みんな声かけてくれることが多いから有難いとは思う

でも、選手が気持ちよくプレー出来るする環境を整えるのがマネージャーの仕事

選手はコート上で頑張るんだからそれ以外の場所では私が頑張らなきゃ駄目だ

『太一のプレー期待してるからさ、今日も頑張ってよ』

「はいはい、頑張りますよ」

ふ、と笑った横顔が頼もしかったから、野ゴリラは許してやろうと心でひっそり思った

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少し訂正しました！
指摘してくださり有難う御座いました