腕相撲 ページ19
休日の練習終わり
レギュラー陣プラス私で体育館の隅っこにあった机を使って密かに腕相撲大会(?)が開かれていた
それは練習前の数時間前まで遡る
「ひかりチャンって、顔可愛いし細いし非力そうに見えるけど意外と力あるよね」
「体育大会のバレーも凄かったしな、女とは思えない力」
『天童さんはまだ一応褒めてくれてるとして瀬見さん失礼ですよ』
今までバレーしてきてたわけだし、肩の力も腕力も脚の筋力もそこそこの自信はある
「握力とかいくつ?」
『41』
「…は?さすが及川の妹」
徹関係ある…?
『まあ賢二郎になら腕相撲で勝てそうですけどね』
「…あ?お前なめてんだろかかってこいよ」
おっと、闘争心に火をつけてしまった
「じゃあ練習終わったら腕相撲大会しよ〜!」
天童さんが放った一言から始まったんだ
練習が終わったあと適当にみんなでトーナメント表を作り、私は宣言通り1回戦賢二郎とやることに
「負けたらコンビニでアイスな」
『望むところ』
ひょろそうと言っても賢二郎も男だし白鳥沢のレギュラー入ってるし、そこそこの力はあるよなあ
「レディー……ファイッッ!」
天童さんの元気な掛け声でお互いに腕に力を入れる
「う"っ」
『あれ』
これは…思ったより勝てそうだ
いや待て、ここで勝ったら牛島さんにまでゴリラって思われちゃう
華奢で非力な女の子がタイプだったらどうしよう…いやでも既に私が周りの女の子より力が強いことは明確なのでは
「考え事なんて余裕だな」
『え?ぬあ"っ』
こいつ…いきなり力入れてきた
押し返そうとするも既に立場逆転したところから巻き返すのは難しく、私の右腕はそのまま賢二郎に押し倒された
「お前の力がどのくらいか最初力緩めて見てたんだよ。思ったより強すぎて危なかったけど」
策士…流石強豪のセッターだわ
『私が考え事してなかったら賢二郎なんてワンパンだからな』
「パンチはすんなよ」
ブロックで上がってきたのは工と牛島さん
牛島さんは左利きだから、ジャンケンしてどっちの腕で勝負するか決める
「ぐっ……」
あ、工負けた
運も味方につけちゃう牛島さん素敵
結局牛島さんの圧勝で腕相撲大会は幕を閉じた
さすが世界ユース、力入れてる時の上腕二頭筋が半端なかった
『(もしかしたら天童さんなら勝てたかもしれない。あの人あんま食べないし非力そう)』
「おい」
『なに』
「アイス忘れんなよ、コンビニ行くぞ」
…そういう所はきっちり覚えてんのね
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作者名:もよみ | 作成日時:2018年10月21日 22時