二人の探偵 第二幕 １ ページ5
ガタンガタンと列車はロンドンに向けて車輪を進める。
その中で起こった殺人事件。
「一体これは何の騒ぎだ！？」
手前の車両から飛び出してきた複数人の鉄道警察が様子の確認をする。
この状況、かなり嫌なタイミングだなとAは一人思った。
ジョンと呼ばれた男には血が付いているのだ。一般の人間ならもうこの男がやったようにしか見えない。
そしてやはりと言ったように鉄道警察たちはジョンの事を犯人と決めつけ連行しようとする。
流石にこうなれば無実を証明するのは大変なことだろう。現にレストレードが言い聞かせるように言っているがなかなか引かない。
その状況に耐えられず、
「あーーーーー！！時間が勿体ねぇ！！」
と、シャーロックが声を上げた。
「状況分かってねぇのはお前らの方なんだよ！！この能無し共！！」
いやそこまでは言い過ぎではないか？と思った中、圧に押された鉄道警察は「ど……どういう意味です……？」と言った。シャーロックと鉄道警察の言い合いの最中ウィリアムはポケットにしまってあった懐中時計をちらりと確認する。
『時間がどうかしましたか？』
「いいや、次の駅の到着時間を考えていただけだよ」
そう言ってウィリアムは懐中時計をポケットにしまった。
つまり今回の概要は次の駅に着くまでにこの車両のどこかにいる犯人を見つけ出すという事らしい。それが一般の鉄道警察にできるのかとシャーロックが詰め寄る。
鉄道警察とシャーロックたちの言い合いが続く中、ルイスがウィリアムに声をかける。
「この事件……僕達には何の関係もありません。ホームズの軽口に乗って介入する必要などないのではないでしょうか」
その言葉にウィリアムは少し考えた後「……そうだね」と声を漏らした。そしてそれに続けるように
「だが――無実の市民に殺人の嫌疑が掛かっている訳だし、彼ら鉄道警察では時間内に犯人を捕らえ犯行を立証するのは不可能だろう」
視線の先には困惑の中に立ち尽くすブロンド髪の青年。
「ここは“貴族の務め”を果たそうかルイス、A」
その言葉にルイスとAは顔を見合わせ、ウィリアムに向かって微笑む。
「……分かりました、兄さん」
『ウィリアム様の仰せのままに――』
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とーてむぽーる(プロフ) - ぽんさん» 申し訳ありません、全く気付いておりませんでした。ご指摘ありがとうございます。本当にありがとうございます。 (2020年11月19日 0時) (
レス) id: 69bf35d07a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とーてむぽーる | 作成日時：2020年10月22日 0時
