【歌い手】期待して損した。

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重く、苦しい空気が流れるなか、口を開いたのはそらるさんだった。



そらる｢それで、どうかしたの？

Aが部屋に来るなんて結構久しぶりじゃない？｣




とぼけたように話しているが、勘のいいそらるさんならもう気づいてるはずだ。



私がここに来た理由を。




『そらるさん…………本当はなんて言われたんですか、そのniconicoのお偉いさんとやらに。』




そらるさんはいろんなことを溜め込む癖があるが、こんなにも大切なことを誰にも言わないで勝手に決めるような人ではない。


いつものそらるさんだったらシェアハウスのなかの誰かに少しでも相談しているはずだ。


でも皆の表情を見たとき、新入居者が来ること、それが女子高校生であること、それと同時にniconicoのお偉いさんからの頼みということは誰も知らされてなかったのが見てとれる。



まふ君に相談していたのを見たが、その内容も全体の一部でしかなかったのであろう。




ただ、この事からそらるさんが皆に相談しなかった……いや、相談"できなかった"理由があるのだろうと考えられる。




『そらるさん、教えてください。』




よくここまで強く言えたものだ。


今まで自分の意見を出すことに恐怖を感じていたのに。




その恐怖を越える何かがあったのか。



今の私にはわからない。







そらる｢はぁ………やっぱりAにはバレちゃうよね。

まぁ予想はしてたけど。









これから言うことは、一切シェアハウスの皆には話さないこと、いいね？｣

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