転生したら野坂くんの妹だった 2【野坂悠馬】 (ページ15)

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第五十七話ページ15

「その通りだよ、クラリオくん」

画面の中で泰然として話すのは、イカみたいな老人だった
光が思わず声を出した

光「ギリカナン理事長っ！！」

ギリカナン理事長「我々オリオン財団が目指すのは、全てがルールで統一された、
『パーフェクトワールド』
君達にもルールに従ってほしいものだ。
このまま我々に従わなければ、君達は全て失うことになるだろう」

画面が消えた後も、選手達はしばらくモニターから目を離せずにいた

そんな彼らを、私は奮い立たせた

優花「ギリカナン理事長が望む、
『パーフェクトワールド』
それが実現したら、世界経済に大きな利益をもたらすことになる。
しかし、その時サッカーは………いや、スポーツの世界は、光を失うことになってしまう」

日本対スペイン
それは、オリオンに刃向かう者同士に潰し合いをさせる為に、オリオンが仕組んだのかもしれない
だとしても、手加減や馴れ合いなどは無用だ

優花「これこそが、オリオンに見せつけてやらなければならない、“本当の戦い”になる」

私の言葉に、両チームの視線が絡み合う

私はオリオンの援護をしながらも、イナズマジャパンを支えなければならない
“これ以上、オリオンの思う壷にはさせないっ！”
私は心に誓った

＜野坂サイド＞

その頃、鬼道さんと豪炎寺さんと二人で最上部のデッキにいた
僕は影から二人の会話を聞く

鬼道「豪炎寺、お前の足はまだ治りきってないのだろう？」

アジア予選初戦の韓国戦
豪炎寺さんはオリオンの使徒による、悪質なプレイによって負傷し未だ試合からは遠ざかっていた
僕もその様子をアメリカの病院のテレビから見ていた

豪炎寺「鬼道………
お前なら見抜くと思っていた」

鬼道さんは気がかりだった
世界との戦いには、クラリオさえもが
“世界トップレベル”
と認める豪炎寺さんの必殺技、
『ラストリゾート』
が不可欠だ

鬼道「お前は
『ラストリゾート』
を使える状態ではない。一体どうするつもりだ？」
豪炎寺「安心しろ。
『ラストリゾート』は死んでいない」
鬼道「どういうことだ？」

豪炎寺さんは顔を上げ、遠くを見据えるような目をした

豪炎寺「『ラストリゾート』を、
俺はイナズマジャパンに継承するつもりだ」

まさか、と鬼道さんが振り向く

鬼道「あの技を受け継げる者など、いるわけがないっ！」

「出来ますよ」

僕はそう言って、影から顔を出した
僕は指を三本立てる

野坂「三人で受け継ぐんです」
鬼道「そんなことが可能なのか？」
豪炎寺「可能かどうかではない。
可能する覚悟が、俺にはある」

豪炎寺さんは言った