3話 ページ5
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ハーツラビュル寮生は毎日の朝食の前に女王様による身だしなみチェックがある。校則においては、あまりに過度でない限り着崩しは許されているのだが、リドルが寮生の最低限の気品を保つために提案したことだった。
制服のシャツで開けていいのは第1ボタンまで、きちんとスラックスに仕舞う。ネクタイは緩めてもいいが曲がらないように。腕章の有無や寝癖、靴。
当たり前のように今日も寝坊者はおらず、寮生は順番に前に進み出る。今日は授業のない入学式の準備日なので全員寮服だ。寮服は伝統ある誇り高きものなので、特にチェックが厳しい。
「最後だね、アリス。」
『はーい、女王様。』
きちんとしない者がいる時は長引く。朝食前の腹ペコ男子高校生達からの凄まじいヘイトはだらしない者に向き、よって自然と全員が身だしなみに気遣ってから部屋を出るようになる。
「うん。服にはシミもシワも乱れもない。靴も磨かれているね。髪も綺麗に結われているし、よく眠れたみたいだね、顔色もいい。合格だよ、アリス。」
『ありがとう。女王様も完璧やで。』
''アリス''の寮服は他の生徒のものとは違う。オリエンタルブルーのズボンに寮長服と同じ白い詰め襟ブラウス、胸の黒いリボンには青色の宝石が光り、袖の余るアクアブルーのフードのついたロングカーディガンを羽織る。腰のベルトループは長い金のチェーンが掛かり、横ポケットの中の懐中時計と繋がれている。それから動きやすい黒の革靴。
そうしてつつがなく10分程度で終わった服装チェックの後は、2列に並んで鏡舎の鏡を通って大食堂に向かう。お行儀よくしているのは、ここで押し合いをしたり走ったりした方が時間がかかると分かっているからだ。「ハーツラビュル団体様」の一糸乱れぬ姿に圧倒されて他の生徒達が道を開けてくれるというのもある。
「アリス、何が食べたい？」
『んー？トレイくんと
「はは、責任重大だ。」
『ありがとう〜』
食堂での席は自由で他の寮の者達と座って構わない。''アリス''は世話係に食事を運んでもらう。法律を破る者はいない。
割るとトロトロのチーズが溢れるオムレツに顔を輝かせながら、アデルはトレイにまた礼を言う。とびきりの笑顔で、彼がこのプレートを選んだ理由だろうスミレの砂糖漬けの皿を押しやった。
『トレイくん、これ好きやったよな？あげるわ。』
「え、ありがとう。」
続く (更新停止中)
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陽炎(プロフ) - ミラさん» コメントありがとうございます！7/16は不思議の国のアリスの映画公開日なんですよ〜これからもうちのアデルをよろしくお願いします。 (2022年9月16日 20時) (
レス) @page2 id: 2f4be1d9c5 (このIDを非表示/違反報告)
ミラ - すごく好きです！アリスくんと誕生日が同じでちょっとした縁を感じました(о´∀`о) (2022年9月15日 13時) (レス) @page4 id: ef5a094389 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽炎 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kagerouhp/
作成日時：2022年8月30日 23時
