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2話 ページ4

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「おはようアリス。」
「今日の当番はトレイ先輩かぁ。おはよう。」
『皆もおはよう〜』

金糸の髪を王妃のマントのようにトレイに後ろで抱えさせ、アデルは曲がりくねった寮を進む。途中すれ違う寮生達が気軽に声を掛け、眠気の覚めた彼はご機嫌に手を振った。

「おっは〜アリスちゃん。今日の髪の毛当番はけーくんでーす!」
『そうなん?けーくん特にセンス良いし器用やからラッキーやわ。いつもありがとうな。』
「えー、そんなに褒められると照れちゃうなぁ。オレ頑張っちゃう。」

彼には世話係とは別に、朝の髪の毛係が存在する。その20メートルにも及ぶ長い長い髪の毛は、相当編み込んで結わなければ日常生活に支障が出てしまう。その為、寮生の中から器用だったりヘアデザイン系の仕事を志していたりする生徒が交代で髪をセットしてくれるのだ。

唸る拳は挨拶、口を開けば嫌味と魔法。そんなNRCの生徒達が挙って自ら世話を焼こうとするのも、アデルが''アリス''だからだ。ソファに座った彼の滝のように流れる髪と格闘し始めるケイトを、トレイが、そして近くにいた寮生が、次々に手伝い始める。

アリスの役割は、トランプ兵を纏めること。愛情と慈しみと、それから正義を以て。

「__ああ、アリス。もう来ていたのかい。おはよう。」
『おはよう女王様〜!今日も集合5分前、流石やわぁ。』

染み1つ無い冠を輝かせ、真紅の女王のお出ましだ。

アリスは首を動かさないように言葉を返した。「当然だろう。」と満更でもない様子で女王は微笑む。アデルが起床時間に起きて談話室に来れるのは、一重に世話係のお陰。彼は今まで時など関係ない生活を送ってきた為か、時間に制限されて行動することがどうにも苦手だった。

リドルは几帳面で遅刻には厳しい。普通なら集合時間の15分前にはその場に到着する。だが、彼は「女王」だ。集合時間前とは言え、トランプ兵が女王より遅く来るなど言語道断。それでは寮生が可哀想だとアデルが掛け合った結果、妥協案として彼は5分前に来るようになったのだ。

「よし、出来た!写真撮ろうよ。マジカメ上げていい?」
『うーん...写真は良いけど、マジカメは嫌や。』
「アリスちゃんはいつもそうだよねぇ。何でそんなに嫌なの〜?」

素早く隣に回って肩を組んで自撮り。アデルは頑なにマジカメに顔を乗せることを拒んでいて、それをケイトは疑問に思っていた。まあ、アリスの嫌がることはしないけれど。

「さ、時間だよ。遅刻は居ないね?」

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陽炎(プロフ) - ミラさん» コメントありがとうございます!7/16は不思議の国のアリスの映画公開日なんですよ〜これからもうちのアデルをよろしくお願いします。 (2022年9月16日 20時) (レス) @page2 id: 2f4be1d9c5 (このIDを非表示/違反報告)
ミラ - すごく好きです!アリスくんと誕生日が同じでちょっとした縁を感じました(о´∀`о) (2022年9月15日 13時) (レス) @page4 id: ef5a094389 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:陽炎 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kagerouhp/  
作成日時:2022年8月30日 23時

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