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鞄から顔を上げると、永瀬くんは少し離れた彼の机に座っている。
「なに？」
静かな教室に、私と永瀬くんの声だけが響く。
「さっきのやつ、ラブレター？」
どきりと胸が鳴る。
さっきのやつとは、言わずもがなさっきのやつである。
「…………そうだよ」
緊張しながら答えると、へぇ、と意外そうな声を出す永瀬くん。
その相手があなただと伝えたら、もっと驚いた顔をするんだろうな。
「Aさん、好きなやつおるんや」
「う、うん」
「はは、顔赤なってる〜〜」
惜し気なく見せられたくしゃりとした永瀬くんの笑顔に、余計顔が赤くなる。
永瀬くんは机から下りて鞄を持ち歩いてきたと思うと、私の斜め前の席の椅子に座った。
「ええな、もどかしいなー俺、すぐ伝えてまうから」
「そうなんだ」
「そ。好きーって思ったらもう、すぐやで」
こんな人から告白されて、好きにならない女子はいるんだろうか。
でも、そういえば永瀬くんのことが好きだという女の子の噂はたくさん聞くけど、永瀬くんが想いを寄せる女の子の話は聞いたことがない。
いたら彼女になっているだろうし、永瀬くんはいま好きな女の子はいないのかもしれない。
鞄の整理が終わったので私も座ろうと椅子を引くと、永瀬くんが立ち上がった。
「帰ろっか」
鞄を持ち、当たり前のようにこちらを見る永瀬くん。
その体勢のまま、私を待つように止まる。
「……え、一緒に？」
「え、なんかあかん？」
驚いてその整った顔を見上げると、永瀬くんは細い首をかしげる。
そんな何気ない仕草にすら、耐性のない私の体は熱を持つ。
「あかんくない、です」
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結愛(プロフ) - 突然すみません。以前他の方の小説を書かれていませんでしたか...？久しぶりに来てみたら大好きだった作品がなくなってしまっていて、頼さんをお気に入り登録していたのでもしかしたらと思いまして...。人違いやご不快に思われたらすみません。 (2020年7月23日 3時) (
レス) id: 515c739cb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頼 | 作成日時：2019年10月4日 23時
