19 ページ19
．
明日は金曜日、二週間ぶりの定期委員会だ。
それだけで随分と体は軽くて、嫌いな体育も乗りきれるってものだ。
前回の委員会の日から永瀬くんとは話すようになった。
といっても、すごくよく喋るわけではないけど、それでも去年までに比べたら大きな進歩で。信じられないレベルですらある。
「A、ご機嫌だね」
「ふっふっふ、私の出番はもう終わったし！」
「それに、向こうのコートには永瀬くんがいるもんねぇ？」
小林はニヤリと私を見る。
大正解だ。
今日は雨、体育の授業は女子はバレー男子はバスケで珍しく授業場所が被った。
私たちはバレーのトーナメント戦をやっているのだが、私のチームは初戦敗退したのであとはのんびり永瀬くんの活躍を見るだけなのである。
はぁ、永瀬くんかっこいい。
体育着にハーフパンツっていうダサい学校指定服でもこんなにかっこいい。
手足が長いから存在感があるなあ。
「あ、平野くん決めたね。かっこい〜」
「そうだね〜」
「……あんた永瀬くんしか見てないでしょ。
あれ、ん？なんか永瀬くん、変じゃない？」
小林が怪訝そうに言うので改めて永瀬くんを見てみると、確かにふらついているような。
「疲れちゃったのかな……あんまり体力無さそうだし、って」
小林が失礼なことを言いかけた途端ガンッという鈍い音。
一瞬静まり返った後、ざわつく体育館。
女子のバレーの試合もストップしている。
永瀬くんが倒れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 346人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結愛(プロフ) - 突然すみません。以前他の方の小説を書かれていませんでしたか...？久しぶりに来てみたら大好きだった作品がなくなってしまっていて、頼さんをお気に入り登録していたのでもしかしたらと思いまして...。人違いやご不快に思われたらすみません。 (2020年7月23日 3時) (
レス) id: 515c739cb3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：頼 | 作成日時：2019年10月4日 23時
