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あの後いつもの電車に乗って、夢みたい、じゃなくて本当に夢なのかもしれないと思った。
ふわふわしてて、どうやって家に帰ったのか覚えていない。
気付いたら朝で、ああやっぱり夢だったんだ、と思ったのに。
「あ、Aさんおはよ」
「おは、よう」
夢じゃなかった。
下駄箱でバッタリ会った永瀬くんは、爽やかに私に笑顔を向けた。
たどたどしく挨拶を返す私。永瀬くん、朝から眩しすぎる。
もう既に上履きに履き代えた彼は、ローファーをしまう私を待っていてくれて、教室への階段を一緒に登っている。
今日もかっこいい。
細くて長い指をポケットに引っかけ、あくびを噛み殺す姿ですらかっこいい。
無意識にじいっと見つめていると永瀬くんにばれたのかその丸い瞳が横目にこちらを捉えたので、慌てて顔を逸らす。
フッと永瀬くんが笑ったのがわかった。
教室の入り口が見えて、なんとなく歩くペースを落とした。
数歩先の永瀬くんはこちらを不思議そうに振り返る。
クラスメイトのいる教室に一緒に入るのは恥ずかしかった。
それに、永瀬くんはモテるし、私みたいなただの女子が突然永瀬くんと一緒に登校だ！なんてことになったら大変だ。
そのまま、私の想いが願わぬ形で伝わりでもしたら、困る。
「……ああ、そういうこと」
立ちすくむ私を見て、永瀬くんは呟く。
「好きなやつに見られたら困るもんな」
「え」
ええよ、と笑って納得した顔で教室に入る永瀬くんに呆然とする。
おはよーと透き通った彼の声に、クラスメイトが返事をするのが遠く聞こえた。
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結愛(プロフ) - 突然すみません。以前他の方の小説を書かれていませんでしたか...？久しぶりに来てみたら大好きだった作品がなくなってしまっていて、頼さんをお気に入り登録していたのでもしかしたらと思いまして...。人違いやご不快に思われたらすみません。 (2020年7月23日 3時) (
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作者名：頼 | 作成日時：2019年10月4日 23時
