36 ページ36
．
「それでは我々赤組の優勝を祝して、カンパ〜〜イ！」
学級委員の声に合わせて、みんながグラスを高くあげた。
おつかれ〜という声とグラスが控え目にぶつかる音で溢れ返る。
体育祭も無事終わり、焼肉屋で打ち上げ中だ。
どこのテーブルからも楽しそうな声とお肉が焼けるいい音がする。
お肉も美味しいんだけど、それよりも、永瀬くんの私服がめちゃくちゃかっこよくて……
「A、焦げてるよ」
「えっ！あ〜〜……」
「永瀬くんばっか見てるからでしょ」
じとりとした小林の視線にギクリとする。何でわかるの。そんなにわかりやすいのか。
隣の小林が呆れたように私からトングを取り上げ、焦げたお肉を空いた皿に移す。
「焼いててあげるからドリンク取ってきて」
小林の一言でドリンクバーに向かう。
どうせならと同じ席のこたちからもリクエストを募ってその通りに飲み物を入れていく、が、
「……持てない」
流石に一人でグラス六つは無理があった。
しょうがない、二回に分けて行くかとまずがんばって三つ持とうとする。
「危ないよ」
横からスッと腕が伸びてきたと思うと、その手はグラスを持った。
声の方を見上げると、
「平野くん」
「手伝うよ」
思ったよりも近かったその顔は、ふわりと柔らかく笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 346人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結愛(プロフ) - 突然すみません。以前他の方の小説を書かれていませんでしたか...？久しぶりに来てみたら大好きだった作品がなくなってしまっていて、頼さんをお気に入り登録していたのでもしかしたらと思いまして...。人違いやご不快に思われたらすみません。 (2020年7月23日 3時) (
レス) id: 515c739cb3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：頼 | 作成日時：2019年10月4日 23時
