． ページ36
．
固まる私に彼は困った顔で私の手元を見る。視線に気付いて、手紙の宛名の方を彼に見せた。
「でもこれ永瀬くんにって……あっもしかして永瀬くん？」
「え？永瀬、ですけど」
驚く私に更に困惑する彼＿永瀬くん。
これが噂の永瀬くん。永瀬廉くん。
何だかキラキラしている。
「……これ俺に？もしそれなら返事は期待しないでくれると、」
「違います！あっ、いやそうなんだけど、私からじゃなくて」
手紙を受け取った永瀬くんの顔に申し訳なさそうな色が浮かんだので慌てて否定する。
更に困惑する彼にこの手紙の経緯を説明した。
「なるほどな、わざわざありがとう」
永瀬くんは手紙に関して彼は何もしていないのにお礼を言って、輝く笑顔を残して教室に戻って行った。
永瀬くんがモテる理由がわかった気がする。だってこんな少し話しただけで彼が魅力的だと伝わってきちゃうんだもん。
教室に向かう彼の細身な背中を無意識に見つめている自分がいて、それに気付いて、頬が少し熱くなった。
先輩を見つめているときの幸せな気持ちとは違う、どきどきするのにどこか切ない、振り返らないとわかっているのに願ってしまう。
私でもわかる、多分これが恋に落ちるってことなんだと思う。
「A、今日は南棟行かないの？」
「うん。もう行かない」
ランチバックを持った小林は私の答えに驚いた顔をして、そしてちょっと嬉しそうにした。
小林に伝えたら、どんな反応をされるかな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 679人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あー(プロフ) - 本当に面白い作品でした！幸せをありがとうございます！ (2020年5月11日 16時) (
レス) id: 027e812693 (このIDを非表示/違反報告)
kaede0318(プロフ) - とっても面白かったです！あと、借り物競走の時の紫耀くんのお題ってなんだったんでしょうか？？ (2020年4月22日 8時) (レス) id: 71eb8c3baa (このIDを非表示/違反報告)
キンプリ大好きちゃんのみー(プロフ) - sideとか誰が言ってるのか書いてあると読みやすいです(*^^*) (2020年3月19日 11時) (レス) id: f3c8e2ad49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：頼 | 作成日時：2019年10月21日 20時
