After story〈2〉 ページ21
．
昼休み、購買で買ったスタミナ丼と炭酸飲料のペットボトルを手に紫耀の机に行く。
「紫耀、昼食おうぜ」
「ん。あ、いいな〜スタミナ丼」
紫耀も机の上の教科書をがさがさと端に寄せ、自分の弁当を机に置く。
俺は紫耀の前の席に座り、弁当を開く彼にさぁ言おうと思うが、なんて言おうか迷ってとりあえずペットボトルに口をつける。
「そういやAさんの好きな人って廉だったんだね」
「っげほ」
「え何」
迷っていたら紫耀に先に言われてしまった。思わずむせると怪訝そうに見てくる。
「……そのことなんやけど」
「ん？」
「お前とAさん、ぶっちゃけ仲良すぎちゃう？」
少し睨むように誤魔化されまいと強く紫耀を見ると、紫耀は弁当を頬張りながら曇りのない瞳を瞬かせた。
抱きしめた、とか聞いてしまったら彼氏としては気になるのだ。
いや女々しいとか重いとか言わないでほしい。違う、そういうことではない。決して独占欲とかではない。だって俺が二人は両想いなんだと勘違いするほど仲が良いんだ。気になったって仕方ないだろ。
「そお？」
もぐもぐしたまま喋るなや、汚い。俺がため息をつくとこいつは訳がわからないと言いたげに顔をしかめて、ごくりと口の中の食べ物を飲み込み口の端をくいと上げた。
「まぁね、去年から知ってるから廉よりは仲良いかもね」
「ハァ？」
「もう何、どう言ってほしいの」
煽るように言われて思わずガン飛ばすと、紫耀はめんどくさそうに野菜ジュースを飲んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 679人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あー(プロフ) - 本当に面白い作品でした！幸せをありがとうございます！ (2020年5月11日 16時) (
レス) id: 027e812693 (このIDを非表示/違反報告)
kaede0318(プロフ) - とっても面白かったです！あと、借り物競走の時の紫耀くんのお題ってなんだったんでしょうか？？ (2020年4月22日 8時) (レス) id: 71eb8c3baa (このIDを非表示/違反報告)
キンプリ大好きちゃんのみー(プロフ) - sideとか誰が言ってるのか書いてあると読みやすいです(*^^*) (2020年3月19日 11時) (レス) id: f3c8e2ad49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：頼 | 作成日時：2019年10月21日 20時
