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．
「落ち着いた？」
「……ごめんなさい」
「はは、いや俺が泣かせたようなもんやし」
永瀬くんはずっとぴったり密着することはないが、頭を彼の胸に預けたまま泣いてしまった私の背中を優しくさすってくれていた。
私の両肩に手を置いて私の顔を覗く永瀬くんは、私の涙が止まったことを確認するとほっとしたように笑う。
場所移ろか、という永瀬くんの言葉で鞄をとり教室を出た。
駐輪場に寄らないまま校門を抜けた瞬間、するりと右手が包まれて、びくりと肩が揺れた。
「ん？嫌やった？」
「ち、違……びっくりして！」
「んふ、知っとる」
驚いて見上げると、そう言って満足そうに目を細めるから何も言えなくなる。まったくずるい。
「俺な、酷いやつってわかってて言うけどな、Aさんは紫耀のことが好きなんやと思ってたんよ」
「あー……それはね、なんとなくわかってた」
「あ、やっぱ？……ちなみに、紫耀は？」
「え？」
「紫耀とAさん、仲良いやん。どんな仲なん」
探るような視線。
どんな仲って、そんなこと言われても見たままだと思うけど。去年と今年クラスが一緒の、話しやすいクラスメイト。
……そして、私の背中を押してくれた優しい友達。
「……あ、」
「ん？」
「一度一瞬だけ、抱きしめられたよ」
永瀬くんにフラれたときのこと。
まあ本当に一瞬だし何もないのだけど、永瀬くんがどんな反応をするかなと思って言ってみたら
「はぁ〜？！」
永瀬くんはすごい形相をしていた。
整った眉がはねあがり眉間に皺が集まっている。
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あー(プロフ) - 本当に面白い作品でした！幸せをありがとうございます！ (2020年5月11日 16時) (
レス) id: 027e812693 (このIDを非表示/違反報告)
kaede0318(プロフ) - とっても面白かったです！あと、借り物競走の時の紫耀くんのお題ってなんだったんでしょうか？？ (2020年4月22日 8時) (レス) id: 71eb8c3baa (このIDを非表示/違反報告)
キンプリ大好きちゃんのみー(プロフ) - sideとか誰が言ってるのか書いてあると読みやすいです(*^^*) (2020年3月19日 11時) (レス) id: f3c8e2ad49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頼 | 作成日時：2019年10月21日 20時
