[ハイキュー!!] 白いはねのからすのコ。

＊ 39 好きなやつ *夜久衛輔* ページ41

「おーい、夜久ー！帰るぞ！」


Aとメガネくんの後ろ姿を見送っていると、
俺を呼ぶ声がした。


黒尾「お前なあ、背中から殺気でてんぞ。」

黒尾が俺の背中をばしっと叩く。

夜久 「いってえなー..そりゃでるだろ、あんなん見たら。」


俺の好きなやつに後ろからのしかかるメガネくん。
そして、『うちのA』ときた。


..一体Aのなんなんだ。


俺よりもでかいし、女子が好きそうな顔してると思う。

まさか、彼氏じゃないよな？


黒尾 「あのメガネくんにヤキモチか？(にやにや」



..ヤキモチ..だな、これは。





だってさ、


俺はずっとAのことが


好きだったんだから。



_＿＿＿＿

合宿も終わり、それぞれ家路につく。

俺は海と別れ、一人で暗い道を歩いていた。


..はあ、Aから連絡こないな。


ケータイを握りしめる。


..びっくりしたかな。好きなやつなんて言って。

久しぶりに会えて、すごく嬉しくて
思わずぽろっと出てしまった。



..Aがもりすけ兄ちゃんなんて呼ぶから。

あいつにとって、俺はまだ兄ちゃんっていう存在。

好きになる対象に俺は入っていないような気がして。



夜久 「はあー。このまま連絡なければ振られたも同然か...」


大きなため息を吐き、ゆっくり夜空を見上げる。


..今、A何してるかな。
少しでも俺のこと、考えてくれてるかな。



お盆のたびに親戚でもないのについていった。
もちろんAに会いたくて。

最初はなんで会いたいのかわからなかったけど..


中学から、部活で忙しくて会いに行けなかった。

でも、忘れることはなかった。


会いたいなあってずっと思ってた。


そして、いつからかな。
会いたいやつから好きなやつに変わっていたんだ。



今日は正直びっくりした。
まさか、烏野にいるなんて。


だから、調子に乗ってぽろっと出てしまった。


あんなの、好きっていってるようなもんだろ...


握りしめた全然鳴らないケータイをみる。




夜久 「...ははっやっぱり俺、振られ((♪ピロピロ♪))...てないっ！！？」



諦めようかとしたその時、
握りしめていたケータイが鳴った。

画面を見ると1件のメール。

急いで開くと、知らないメアド。




［羽白Aです。登録お願いします。］




シンプルな文章の下には電話番号が乗っていた。



.......。




拳を高く突き上げる。



夜久 「...よっしゃああああーっ！！！！」




星のない夜空に俺の声がよく響いた。

＊ 40 肉まん→←＊ 38 ライバル

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す