FROZEN

EP7 ページ7

佐久間side



俺らの『家』となる場所に帰ったら
俺は即座にラウールの所に行った



「ねぇねぇラウ〜」


「なにー？佐久間くん」



あーほんとにラウは高校生なのかってぐらいいつも大人に見えるんだよなぁ



「阿部はー？」



俺のいつもの定番問いかけにラウは
あーって言って



「阿部くんならさっきハッキング使ってたからお部屋で寝てるかしてると思う！」



って元気で返してくれた



やっぱり能力使ったんだ



俺は阿部の部屋に入った



「…阿部」



俺が入っても微動打にしない阿部



これもお決まりのこと



阿「…鍵。閉めといたはずなんだけど」


「いつも俺が開けてるだろ？」


阿「…」



阿部はほんとに喋らない。



理由は誰も知らない








…俺以外はね



阿部の口から話すまでは言わないようにしている


「今日。ずっと使ってたでしょ。
もぉ、能力使わなくてもあんな簡単なやつ、出来たんでしょ？」


阿「…はやく終わらしたかったし。飯はやく食べたかったんだよ。」



そうとぎれとぎれに話す阿部。



「…まだ、話さないの？」



俺は信じてもいいと思うよ。



そう言おうとした



阿「言ってどうなるんだよ。何も変わらねぇのに。」



そう先に言いこぼした



「そうだけど…」


阿「知ってくれるのは佐久間だけでいい。
他のメンバーには話す必要ない。」


「…」



俺からは何も言えなかった



いや、言える立場じゃない



どんだけ能力のせいで俺たちは辛い道を歩んできたか、どんな不幸を見てきたか



それは俺自身、自分自身知っているから



宮「もうそろそろしたら鍋できるから集まれよー」



涼太の声が聞こえた



「ほら、飯食べよ！」


阿「…」



俺がそう言うと阿部は何も言わずベッドから降りて歩き出した。

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