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「......寝ちゃった」
不意にぎし、ぎしと、何十年前からあるのかもわからないその安楽椅子が軋む音が止み、代わりにすやすやと穏やかな寝息が小屋に響く。
幾度となく意味もなくかき混ぜてはぐるぐると終わりなく回るホットミルクの波紋を眺めていた視線を
「......
ため息をつき、すっかり冷えたただのミルクを喉に流し込む。
不安定な角度のまま彼の手に握られたお揃いのマグカップをそっと外してテーブルの上に置き、彼が脱ぎ散らかしていた厚手のケープをこれ幸いとばかりに彼に巻きつけた。
「ね、起きたらママのこと、教えてくれるんだよね」
再びつくため息。吹き込む隙間風。雪が私の独り言を吸う。無論、返事はなく。
森の奥深くの小さな小屋。その空気は、ただの人間である私にとって、嫌に冷たくて。
「......約束、してよ」
煙突掃除が面倒臭いからとほとんど使っていない暖炉に手を突っ込んで、私はそこに隠しておいた小袋を取り出した。そして夏の間＿＿この森の地面が、唯一太陽の下へと顔を出す時期＿＿に集めておいた小石をそこから取り出して、暖炉の上へ1つ置く。
そしてまた朝が来たら、私は小石をまた1つそこへ置き、また朝が来たら私は小石をまた1つそこへ置くのだ。
ねぇ、Broooock。あなたが起きるまでに、私は何個の石を取り出すんだろうね。10個かな、20かな。
この前は17だったね。1番長い時は、36？ねぇ、できれば今回はさ、せめて5個とかがいいな、なんて。
忘れっぽいBroooockはさ、次起きたらきっと、私のお願いなんて忘れてるんだよね。
心の中で彼への不満をつらつらと並べ、どかっとわざと大きな音を立てて安楽椅子に再び腰掛ける。
無論それで彼が起きることはなく、私の寂しさが埋められることもなく。
「
ずっとずっと口にしようと思っていながらも口に出せなかったその一言を、彼が寝ているのをいいことにやや大きな声で口にした。
両膝に両肘を突き、背中を丸めて広げた両手に顎を乗せる。上目遣いのような形で彼の寝顔をしばらく眺め、首と目が疲れ始めたところで私は視線を床へと落とす。
「ここまで育ててくれたのは感謝してるんだけど、やっぱり私とBroooockは
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ビー玉(プロフ) - 次作品もぜひ読みたいです！たのしみにしてます〜！ (6月3日 19時) (
レス) id: 7a07f59bfb (このIDを非表示/違反報告)
すおう(プロフ) - しゃけさーもんさん» コメントありがとうございます！私もギルティ1番気に入っているので、そう言っていただけて本当に嬉しいです‼︎のんびり更新ですが見守っていただけるとありがたいです......！ (6月3日 17時) (レス) id: 4a16b8c5b0 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけさーもん - 個人的に10億と有罪のお話で泣きました。エモい？というか心がぐわっとする感じ(語彙力)で大好きです！！次回作も作っていただけるんですか、、、！楽しみに待ってます！！ (6月3日 14時) (レス) id: a2c9c247fb (このIDを非表示/違反報告)
すおう(プロフ) - ビー玉さん» コメントありがとうございます‼︎まだ手探りで書いている状態なので、そう言っていただけるとほんっっとうに参考になります！この短編は次話（6人目）で完結かなぁと考えているのですが、近いうちに次作品も作る予定なので、よければ是非......！ (6月3日 7時) (レス) id: 4a16b8c5b0 (このIDを非表示/違反報告)
ビー玉(プロフ) - とてもお話好きです！けどお話の中の流れや誰が話しているのかが分かりにくいところもあるので（個人的に）読みやすくしてくれたら嬉しいな〜って思います！これからも読み続けたいです！応援してます！ (6月3日 1時) (レス) @page21 id: 7a07f59bfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すおう | 作成日時：2023年3月3日 16時
