Forever ページ22
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人外設定あり
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「......ねえ、A」
「なぁに、ママ」
久しぶりにママがわたしの手を取って、久しぶりにちゃんととわたしと目を合わせてくれて、散歩に行こう、と言って久しぶりに笑ってくれてから約2時間後。
今考えれば夜の8時から散歩に行くことも、その行き先が町外れの深い森だったこともおかしいんだけど、その時のわたしはただ、ママがわたしを見てくれていることが嬉しかったの。
だから、ママが足を止めてわたしの名前を呼んでくれたその時も、ただママがわたしの名前を呼んでくれたのが嬉しくて。
いつの間にか森に舞い始めた、今年1番の新雪をミトンをはめた手で優しく掴んで、そのミトンがママとお揃いなことに口を綻ばせてながらママの顔を見る。
そこに、ママの笑顔が待ってるのを期待して。
でもね、違ったの。
ママはね、笑ってたの。泣きながら。
「......ま、ママっ？」
しんしんと降り続ける雪。森に響くわたしの声。
「ねぇ、A、喉、乾いてない......？」
泣きながら笑うママ。お仕事用の濃いお化粧が流れ落ちていく。なんで急に、喉なんて。
乾いてないよ、って言い返そうとしてね、口を開いたその瞬間、ママがどこからか取り出した水筒をわたしの口に押し付けたの。
喉を通る生ぬるい液体。きっと、ただの水。特に変な味は、しなかった、はず。
反射的にそれをごっくんって飲み込んで、そしたならママはなんでかぼろぼろと涙をこぼしながらね、それでも偉いねってわたしの頭を撫でてくれたの。
「ごめんねっ、ごめんねAっ......」
背中に回されたママの腕。あったかったな。
ハグしてもらったのなんて、いつぶりだろう。覚えてないや。そもそも、してもらったことなんてあったっけ。
「......ダメなママで、ごめんね」
震え声でママは言うの。
Aなんて産まなきゃよかった、って。ママがAなんで産まなきゃ、Aはもっといいママの下に産んでもらえたかもしれないのに、って。もっと幸せになれたのかもしれないのに、って。
「......そんなこと、ないよ」
Aはママといれて、幸せだよ。
顔をあげて、涙でお化粧の落ちたママの顔を見て、わたしは笑う。そしたらね、なんでだかママはもっと泣いたの。
「ごめんねA。ごめんね、本当にごめんね」
でもね、もう遅いんだって、ママは言うの。もう無理なだって。もうどうしようもないんだって。
ママは、そう言って泣くの。
でも、Aだけはって、ママは言ったの。
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ビー玉(プロフ) - 次作品もぜひ読みたいです！たのしみにしてます〜！ (6月3日 19時) (
レス) id: 7a07f59bfb (このIDを非表示/違反報告)
すおう(プロフ) - しゃけさーもんさん» コメントありがとうございます！私もギルティ1番気に入っているので、そう言っていただけて本当に嬉しいです‼︎のんびり更新ですが見守っていただけるとありがたいです......！ (6月3日 17時) (レス) id: 4a16b8c5b0 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけさーもん - 個人的に10億と有罪のお話で泣きました。エモい？というか心がぐわっとする感じ(語彙力)で大好きです！！次回作も作っていただけるんですか、、、！楽しみに待ってます！！ (6月3日 14時) (レス) id: a2c9c247fb (このIDを非表示/違反報告)
すおう(プロフ) - ビー玉さん» コメントありがとうございます‼︎まだ手探りで書いている状態なので、そう言っていただけるとほんっっとうに参考になります！この短編は次話（6人目）で完結かなぁと考えているのですが、近いうちに次作品も作る予定なので、よければ是非......！ (6月3日 7時) (レス) id: 4a16b8c5b0 (このIDを非表示/違反報告)
ビー玉(プロフ) - とてもお話好きです！けどお話の中の流れや誰が話しているのかが分かりにくいところもあるので（個人的に）読みやすくしてくれたら嬉しいな〜って思います！これからも読み続けたいです！応援してます！ (6月3日 1時) (レス) @page21 id: 7a07f59bfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すおう | 作成日時：2023年3月3日 16時
