あなたを信じて . 2

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side Zero



小太郎は、高校時代の武勇伝を自慢げに話すと

Aの元へと歩いていく。



Aの表情は、強ばったままだ。

･･･まるで、何かを言いたげなように。




「大人になっても残しているなんてどうかしてる。」




俺はそう言って、Aと目を合わせた。

すると、Aは頭を横に振った。





それに気づいていないのか、小太郎は話を続けた。



「消せやしないさ！楽しかった青春時代の思い出だ！

そう、僕にはたくさんの子分･･･舎弟(しゃてい)が何人もいて！」


「･･･パシリだろお前」




俺がそういうと、小太郎は“あぁ？”という。

その反応じゃ、図星なようだ。



「小太郎、お前どう見ても喧嘩が強そうじゃない。

かと言って人望があるタイプでもない。性格が悪すぎる。

なのに何が舎弟だ。思い出話に見栄を張るなよ。

舎弟はおろか、本当は友達なんて1人も居なかったんじゃないのか。

友達が居なかったから、唯一仲良くしてくれたAに縋(すが)ったんだろ。

見てればわかるよ。

俺達が喧嘩すると大喜び。

助け合うと妙にイラついて･･･」






Aと小太郎の関係は、なんとなく想像がついた。


なかなか人に心を開かないAが、小太郎と呼び捨てにすること

小太郎が触れても何も言わないこと･･･

色んなものから推測するに、元恋人 またはそういう関係。


とても、濃い関係。



だからAは腹の文字だって知っている。


そう考えると、俺たちより先にAが呼び出されたのだって辻褄が合う。





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