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「 誰 …ですか 、？ 」
とめどなく溢れる涙を拭いながら尋ねると
「 僕はこの世界の案内人です 。責任をもってAさんを案内させていただきます 。」
そう言うと優しくもどこか寂しさを含んだ微笑みを私に向けた
「 さぁ 、行きましょう 。早速ですがまずはAさんがこれから過ごす世界についてRichter(リヒター)に決めて貰います 。」
「 リヒター 、？ 」
そういえばどこかで、この世を離れた後はあの世に行く前に自分の現世での行いを元に自分の行先を決められると聞いたことがある
「 はい 。でも怖がらなくて大丈夫ですよ 。Aさんは僕を信じて着いてきてください 。」
そう言って手を引かれる
一瞬鼓動が速くなる
本当に男の人なのかと思ってしまうくらい陶器のように透き通っていて 、滑らかな手
ヒョングの手より少し小さいみたい
ヒョングの手 、大好きな君の手
ヒョングと初めて手を繋いだ時を思い出す
十年前の紫陽花が綺麗に花を咲かせたばかりの頃だった
続く
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作者名：スミレ | 作成日時：2020年6月12日 21時
