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収録が終わった休憩時間。

あれから川上さんの顔はみるみる青くなっていき、現在トイレに籠っている。

その後、東大かるたサークルOBの皆さんが、刺客としてきた。

久々のかるた。楽しかったねぇ。

袴は暑いので、自分の部屋でTシャツ姿に着替えて部屋を出ると。

「凜夏ー!アイスティーいる?」

「ありがとうー!」

須貝さんがいた。


ベランダに出て、須貝さんはコーヒー、私はアイスティーを飲む。

「やっぱ、凜夏すげーわ。」

「そんなことないですって。」

サークルの皆さんとは2勝1敗。

連絡先を交換させて頂いたので、今度からはかるたしたいときに会おうと約束した。

須貝さんに誉められて、なんか照れ臭くて。

アイスティーを飲んでいると、空が黒くなってきた。

「雨だねー。」

「今年は多いから本当に困ります。」

毎日の様に降る雨と、時々なる雷と。

来週には台風も来るらしい。

「ねぇ、覚えてる?」

「何がですか?」

唐突に聞かれた質問、わからなくて、いや、わかるわけなくて。聞き返す。

「凜夏が来た日のこと。」

あの日。桜がまだ咲いていた頃。

「忘れると思いますか?」

「ううん。あの日もひどい雨だったなぁって。」

「本当に。しかも着いたら須貝さんしかいなくて。」

「あぁ、そうだったね。」


あの日。

京都をでて、東京駅を降りたら人身事故で電車が止まってて。

1時間後に運転を再開する頃には、土砂降りの雨が降っていた。

お陰様で、着いたのは予定の2時間後。

しかも、オフィスに入れば、背が高い人が一人、パソコンに向かっていた。

正直言えば、祥彰も、伊沢さんもいなかったから、帰ろうとも思ったし、凄く不安だったけど。

「須貝さんがシャワールームいったと思ったら、バスタオルとってきて下さって。『お風呂入れといたから、入って?』って。」

「今思えばもっと良いやり方があったと思うんだけどね。」

「でも、凄く嬉しかったんですよ?」

「そっか。」

その1時間後。まだ来ないだろうと、買い出しに行っていた御一行が帰ってきて、はじめましてとなったんだったっけ。

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作者名:tukika | 作成日時:2019年8月14日 17時

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