歌～孤独の哭～ (ページ5)

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辛い過去ページ5

※記憶を失くした彼はシリーズの表現が出てきます

読んでなくても分かるようにしますが、記憶彼を読んでいたら多分、するする内容が入ると思います

――――――――――――ｷﾘﾄﾘ―――――――――――――

－『そういえば、トントンと俺の出会いってどんなんだった？』—

初めてそう聞かれたときは戸惑った

やって誰にも聴こうとしていなかったから

過去を思い出すだけでも辛くて胸が苦しい

－「大丈夫？辛くない？」

「逃げ込む場所がないから自分の想いを見ないふりしとる」

「壊れないでね？」

「そりゃ、分からん」—

確か自問自答を繰り返して気を紛らわしてったけ

それでも辛いのは変わらへんかった

今思うと拒みすぎて周りがよく見えてへんかった

それはまだ革命軍やった時もそう

Aに任せっきりになったこともあったし……

今じゃ、皆から″有能″って言われてるけど

心の傷が癒えてへん状態やし

それに僕は″無能″やった

あの国に居た時の言葉の刃を振り払うために努力して″有能″になった

過去の自分を否定するわけではあらへん

過去から目を背けてても何も変わらへん

分かってるけど

″僕″が壊れへんように

″俺″でいれるように

今は蓋をして

過去を見ないふりをしよう

そうやないとみんなが明るくて眩しくて

目が眩んでしまうから……

－「だから言ったじゃん。壊れたらそれで終わり。壊れる前に頼ってって」—

あんとき、言ってくれた言葉

もう手遅れやったんやで

A

・

・

・

過去と今を揺れる赤

過去を嫌い今を生きる

眩しいメンバーに目が眩みそうになっても尚それを隠して生きる

それが吉と出るか否か

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