歌～孤独の哭～ (ページ20)

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覚めぬ夢を見る君へページ20

今日も俺は病院に来た

話す人なんて居ないのに

でも、眠っている君に会えるから此処に来る

「ねぇ、君は窮屈で退屈な世界で何を考えてた？教えてよ。つまらない日々は味気ないんだ」

そして俺はまた同じことを言う

"暗い空の下で何を見ている？"と

眠ってるだけなのに、君の体を触れると暖かいから

きっと心はまだ、消えてないそう思ったから俺は問う

だけど、今日は違う

「ごめん。俺、近頃ここを出る。だから、もう行けない。本当は君の眼が覚めるまで出ようとは思わなかったんだけど、親がうるさくて……。この国以外の国の景色も見て来いって。だから、またね」

俺は忘れたいとは思わないから、安心して

この国のことを忘れないから

それに俺はまだ信じるよ

例え、君が何もかも失ってしまっても君の病気は治るって

だから、また元気な姿で笑ってね

此処に長いこと居ると名残惜しくなるし、そろそろ行くね

「それじゃ、また逢う日まで。またね」

ﾁﾘﾝ

ヴァイス？

そっか

妾が宿ったのか、この寝ている小娘に

関りが深いほど妾の意識は強くなる

だからか

暗い暗闇から目を覚ますことが出来たのも

小娘は大丈夫じゃろか

独り、此処に残されて

「色」じゃない妾は「白」の手助けも出来ん

じれったいもんじゃ、まったく

小娘が目覚めるまで、もうひと眠りとでもするかのう

「白」と交わりて「無色」となる「人」は「透明」を宿す

能力の持ち主は「黒」と交わりて＿＿＿＿＿＿(文字が書かれていない)

「透明」宿して「色」集う

「色」集いて「崩壊」招く

－『色の関りと交わり』—