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8杯目 ページ8

「それじゃあ直近のマネージャーとして大きな仕事の、3年生へのプレゼントについて説明します。うちの部活は伝統として、3年生の最後の大会前に千羽鶴を渡しています。大変だと思うけど、みんなで頑張りましょう!」
小夏先輩が他の2年生マネージャーを代表して、私たち1年生向けに説明をしてくれた。頑張ろう、と気合いを入れている私に対し、他の1年生の一部はそうでは無かったようで、解散した後「面倒じゃない?」と愚痴を零しているのが聞こえた。さっきめいちゃん先輩を見て楽しそうにしていた人達だった。ただ私は注意出来るような立場も勇気も出なかったので、その日は見過ごしていた。



学校に少しずつ慣れてきた頃、また私はあの日と同じ自販機の前でめいちゃん先輩と出会った。私が買っていたのは、あの日と同じオレンジジュース。
「あ、また買ってる。やっぱり好きじゃん」
「これ美味しいので、つい……」
オレンジジュースにこだわりなど無かったのだが、やたら気に入ってしまって定期的に買いに来ていた。
「ほずみちゃん、部活はもう慣れた?」
「はい、小夏先輩が分かりやすく教えてくれてすぐに仕事覚えられました」
「それ聞いたら小夏も喜ぶね!言っとこ〜」
サラッと呼び捨てで呼ばれる小夏先輩の名前を聞いて、少しだけ羨ましくなってしまった。
「そうだ、私の名前言いふらしました?」
「やだ人聞きわるい!」
「……すみません」
あまりにも語弊しかない聞き方をしてしまい、めいちゃん先輩が冗談交じりでぷりぷり怒るから笑ってしまう。
「小夏先輩にも八朔ちゃんって言われるから聞いてみたらめいちゃん先輩から聞いた、もう有名人だって言われたので、先輩名前広められてるのかなって」
「確かにいっぱい話した気がする……嫌だった?ごめんね」
「嫌、では無いので謝らないでください……けどなんでそんなに話したんですか?」
仲が良いなら話の流れで名前が出てくるのも分かるが、私が入部するまでの間に先輩と話したのは初めて出会った日と新入生歓迎会後の部活動見学のときくらいだ。それも沢山話したかと言われると、微妙なくらい。
「ほずみちゃんが来てくれたの、嬉しかったからかな」
予想外の言葉に胸が鳴った。

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を。(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» 今回もお付き合いありがとうございました!感想とても嬉しいです;;新作全然思いついてないのでいつになるか分かりませんがまたそのときはよろしくお願いします!! (8月17日 10時) (レス) id: 8f27bf5dbb (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完結お疲れ様でした!ドキドキワクワクキュンキュンするような話で、食い入るように見てました!もし新作があれば絶対読ませていただきます!素敵な作品をありがとうございました! (8月16日 6時) (レス) @page41 id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
を。(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» 今回もコメントありがとうございます!またお付き合いいただけたら嬉しいです!! (2023年3月30日 18時) (レス) id: 8f27bf5dbb (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 新作おめでとうございます!とても待っておりました!!!この作品も楽しませていただきます!!!!! (2023年3月30日 8時) (レス) @page2 id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:を。 | 作成日時:2023年3月30日 8時

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