6杯目 ページ6
部活見学の時間になると多くの人が集まっていた。あんな自分が目立つような演出は反対だったが、これだけ人が集まるならやって正解だったな。
中学の後輩来てないかな、など知り合いを探していると、後輩では無いが見覚えがある姿を見つけて思わず声をかけていた。
「あ!ほずみちゃん!」
「あぇ?!」
素っ頓狂な声が返ってきて、思わず笑いそうになってしまったのを堪える。
「なんで名前……」
「自販機のところで名前教えてくれたじゃん。俺の事覚えてない?」
自分的には印象的な出来事であったので、覚えられていないとすれば少しショックだなと思った。
「えっと、めいちゃん、先輩……」
名前を教えたことを忘れていただけで、俺のことは忘れていなかったようで少しほっとした。いや、別に忘れられていても困らないのだが、自分が覚えているだけに覚えられている事実が何だか嬉しかった。
「はは、その呼び方おもろいね」
「あの時あだ名で呼ばれているのしか聞いていなかったので……」
「いいよそれで」
……そういえばあの時名前教えていなかったんだっけ。
めいちゃん、と呼ばれるのに慣れすぎて、めいちゃん先輩という独特な呼び方をしてくれるのも悪い気はしなかった。
「何?めいちゃん知り合い?」
「めいちゃんこの子のことナンパしてたんすよ」
「だから違うって!俺のことなんだと思ってる?!」
3年生の先輩が声をかけてきたのに対し、あの自販機のところでの様子を見ていた友人が代わりに答えてしまい、あらぬ誤解が生まれかけた。それを聞いていたほずみちゃんがくすりと笑う。
「すみませ、ふふ、仲良いんですね」
……笑うとこんな顔するんだな。
初めて出会ったときは表情が硬かったので、予想外の柔らかい笑顔についドキリとしてしまった。
「ほずみちゃんは走るの好きなの?得意とか?」
「いや全然。足遅いので」
「えっじゃあなんで?」
「サポーター側ならできるかなって。マネージャー募集してるか確認しに今日来ました」
今日来た理由と言うよりは陸上部に興味を持ってくれた理由を知りたかったが、言ってないことは聞かない方が無難だろう。
「なるほどね。マネージャーも欲しいから今日見学して考えてみてよ」
マネージャーは別に現時点では過不足無くどっちでも良かったが、この陸上部にほずみちゃんがいてくれたらいいな、という漠然とした感情で返事をした。
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本名捏造は極力したくないので現時点ではこんな感じでいきます、、違和感あったらすみません(T_T)
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を。(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» 今回もお付き合いありがとうございました!感想とても嬉しいです;;新作全然思いついてないのでいつになるか分かりませんがまたそのときはよろしくお願いします!! (8月17日 10時) (レス) id: 8f27bf5dbb (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完結お疲れ様でした!ドキドキワクワクキュンキュンするような話で、食い入るように見てました!もし新作があれば絶対読ませていただきます!素敵な作品をありがとうございました! (8月16日 6時) (レス) @page41 id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
を。(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» 今回もコメントありがとうございます!またお付き合いいただけたら嬉しいです!! (2023年3月30日 18時) (レス) id: 8f27bf5dbb (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 新作おめでとうございます!とても待っておりました!!!この作品も楽しませていただきます!!!!! (2023年3月30日 8時) (レス) @page2 id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:を。 | 作成日時:2023年3月30日 8時