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5杯目 ページ5

新入生歓迎会が始まり、様々な部活動が流れるように紹介されていく。ただ真面目に紹介するだけでなく、ネタに走るような紹介も多く最初から最後まで賑やかな空気であった。自由度が高いのはさすが高校、というべきか。それとも私が選んだ高校が明るい学校だったからか。偏差値がちょうどよく制服が可愛いから選んだ学校だったが、少し馴染めるか不安になった。
「続いて陸上部です!」
司会進行の人の声とともに、気になっていた陸上部のパフォーマンスが始まる。これもまた楽しそうな雰囲気で始まり、その中心にはめいちゃん……先輩が居た。柚月が確か今年で二年生だと話していたが、それで中心に居られるなんて凄い。先輩や同級生から親しまれているのだと、紹介の僅かな時間で感じ取ることが出来た。
ちょっと良いとこ見てみた〜い!なんてコールが入った後、先輩が颯爽と駆け抜けて行き、さっきまで賑やかだった場の空気が一気に引き締まって、見入ってしまった。
「え、あの人かっこよくない?」
「ね、陸上部行ってみる?」
そんな声が聞こえてきて、柚月が言っていた中学時代から先輩が有名だったという話が何となく腑に落ちた。そんな有名な人が、本当に私と赤い糸で結ばれているのだろうか、という思いになってしまうが、自分の指から伸びる糸を見ればやはり、確かに先輩と繋がっていた。



――放課後、部活見学の時間になって、私は陸上部に向かっていた。部活動紹介の影響は大きかったようで、陸上部には多くの人が集まっており、既に心が折れそうで引き返しそうになったところ、
「あ!ほずみちゃん!」
「あぇ?!」
元気な声が聞こえて、周りの人の視線を独占してしまい、私は帰れなくなった。いざ声を掛けられたらかなり動揺してしまい、気の抜けた声が出た。
「なんで名前……」
「自販機のところで名前教えてくれたじゃん。俺の事覚えてない?」
「えっと、めいちゃん、先輩……」
忘れているわけがない。ただ、自分が名前を教えたことはすっかりと抜けていた。
「はは、その呼び方おもろいね」
「あの時あだ名で呼ばれているのしか聞いていなかったので……」
「いいよそれで」
めいちゃん先輩はニコニコしていた。
「何?めいちゃん知り合い?」
「めいちゃんこの子のことナンパしてたんすよ」
「だから違うって!俺のことなんだと思ってる?!」
目の前で繰り広げられる軽快なやり取りに、私は思わず吹き出してしまった。

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を。(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» 今回もお付き合いありがとうございました!感想とても嬉しいです;;新作全然思いついてないのでいつになるか分かりませんがまたそのときはよろしくお願いします!! (8月17日 10時) (レス) id: 8f27bf5dbb (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完結お疲れ様でした!ドキドキワクワクキュンキュンするような話で、食い入るように見てました!もし新作があれば絶対読ませていただきます!素敵な作品をありがとうございました! (8月16日 6時) (レス) @page41 id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
を。(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» 今回もコメントありがとうございます!またお付き合いいただけたら嬉しいです!! (2023年3月30日 18時) (レス) id: 8f27bf5dbb (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 新作おめでとうございます!とても待っておりました!!!この作品も楽しませていただきます!!!!! (2023年3月30日 8時) (レス) @page2 id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:を。 | 作成日時:2023年3月30日 8時

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