23杯目 ページ23
もうすぐ夏休みだと言うのに、部活以外の予定がほとんど何も無い。誰か遊びに誘おうかと思ったとき、ふと思い浮かんだのはAちゃんとなるせだった。2人の仲良さげな姿を思い出し、またモヤりとした気持ちになる。
……俺とAちゃんも仲良い方だよね？
……遊びに誘ってみても、良いかな？
そんな考えも一緒に浮かんできて、自分の気持ちと向き合う。
――気づかないふりをしていたが、Aちゃんのことが気になっているのは紛れもない事実である。
ここで気になる、と言ったのは、好きというには理由やきっかけが特に思い当たらなかったからだ。
……それを確かめるためにも、一緒に出かけても良いよね？
誰に対する確認か分からない問いを投げて、部活のときに誘ってみようかなと考えているうちに、気がついたら眠りに落ちていた。
――翌日、どうやって誘ってみようか迷っていると、休憩のときにちょうどAちゃんがスポーツドリンクを渡しに来た。何故か顔が強ばっているような感じがあるのは、気のせいだろうか。
「ん、ありがと」
そう言うとすぐに柔らかい表情になったので、ほっとする。
「……もうすぐ夏休みですね」
「そうだねぇ、夏休みは楽しみだけどテスト嫌だな〜」
ちょうど夏休みの話をしようと思っていたので、Aちゃんから振ってくれて助かった。
「先輩は夏休みどこか行きますか？」
「婆ちゃん家行くくらいかな、Aちゃんは？」
「私は特に……」
「じゃあ、一緒にどっか行く？」
「えっ！」
誘うなら今だと思って声をかけてみると、想像以上に大きな声の返事が返ってきた。
「……急だから嫌だったら別に良いけど」
「嫌じゃないです、行きます！テスト、これでめっちゃ頑張れます！」
「はは、そんなに？」
食い気味に喜ぶAちゃんが、何だか微笑ましかった。
「行く場所はまた今度考えよっか」
「……はい！」
元気な返事に安心すると同時に、昨晩の自分の想いを振り返る。俺は、Aちゃんのことが気になっているというより、この薄らと感じている好意に慢心しているだけなのだろうか。自分だけだと思っていたのになるせという別の存在を知って、好意が特別じゃないと知って悔しかったのだろうか。……特別じゃないと分かって嫌だったのは、どうしてか。真っ直ぐなAちゃんに相反するような自分の複雑な想いに、梅雨の湿気が混じって重たくなった。
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を。(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» 今回もお付き合いありがとうございました！感想とても嬉しいです;;新作全然思いついてないのでいつになるか分かりませんがまたそのときはよろしくお願いします！！ (8月17日 10時) (
レス) id: 8f27bf5dbb (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完結お疲れ様でした！ドキドキワクワクキュンキュンするような話で、食い入るように見てました！もし新作があれば絶対読ませていただきます！素敵な作品をありがとうございました！ (8月16日 6時) (レス) @page41 id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
を。(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» 今回もコメントありがとうございます！またお付き合いいただけたら嬉しいです！！ (2023年3月30日 18時) (レス) id: 8f27bf5dbb (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 新作おめでとうございます！とても待っておりました！！！この作品も楽しませていただきます！！！！！ (2023年3月30日 8時) (レス) @page2 id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：を。 | 作成日時：2023年3月30日 8時
