慣れてしまった香り ページ4
『ねぇウタ君？此の服君の？』
ドア越しに寄っ掛かっている筈のウタ君に疑問を投げ掛ける
服を広げた瞬間に思った事
『この服誰のなんだろうか』
ただ私の疑問は当然だと自身の意見を肯定したい
だってこんな完全なる女物の服を
彼は絶対に持っていないはずなんだ
おかしい...顔は整ってはいるし性格も悪くない..筈
だが一見見た目は怖いし性格なんて見た目である程度決めてしまうだろうし
人間にはよくわからない店を経営してるわで
あまり異性との関わりがあるようには見えないウタ君が
女物の服を私に貸している現状
相手は誰だろうか
元カノ？女友達？それとも餌？
まさか....本当にウタ君の私物？
｢僕のな訳ないでしょ.....｣
なに言ってるのと言わんばかりの声色で返答をするウタ君
顔が想像できるという言葉は今こそ使うべきだろう
あまり嫌そうな顔はせずともきっと目の前に私がいたら
あの特有な目で訴えかけてくる筈だ
そんな事を考えながらしょうがないと濡れた服をﾊﾞｻｯと床に放り
着替えを始める
しかし頭を服に通した瞬間に慣れてしまった
否.........先程嗅いだばかりの匂いが蒸せかえるほど鼻孔を擽る
それに加え強いアルコールの香りでくらくらと酔ってしまいそうになり
思考を落ち着かせようと急いで言葉を紡いだ
『何...これ....？お酒....？』
芳しいほどの血の匂いと溺れてしまいそうになる程のアルコールの香り
これは人間が出せる匂いとはかけ離れている
やはりあの人か
頭の中に一人の女の人が浮かびあがる
その考えは間違ってはいないようだった
｢それ。イトリのだから....もしかしたら血酒の匂いがするかも｣
『だからか...。まぁ...そうだよね.......』
｢君にはキツすぎる匂いだったかな？
普通の人間だったら鼻がもげるような匂いに悶える筈なんだけど｣
『そんな物着せようとしてたの？』
暫くの間無言が続き
開き直ったようにうん。という声がドア越しに
少しくぐもって聞こえた
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ヲウル(プロフ) - 励みになる応援ありがとうございます！更新頑張りますね！ (2017年10月15日 1時) (
レス) id: f858219580 (このIDを非表示/違反報告)
アイスゥ - 更新頑張って下さい。 すごい文章力ですね………。気長に待ってまーす！！ (2017年10月14日 13時) (レス) id: 0af8a34735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲウル | 作成日時：2017年10月13日 17時
