カニバリズム ページ11
ﾊﾞｯ
そう音がするように勢いよく夢から覚めた私は
頭痛に身を任せてフラりと立ち上がる
焦点が定まらない視界に
前に一向に進まない千鳥足
ははっと渇いた笑いは暗く広い一人の部屋によく響いて
さらに頭に危害を加える
そんな私は頭を押さえながら
壁をつたいながら
そのたどたどしい足で
倒れるようにドアを開けた
眼下に広がる世界は酷く暗く
まだ日が落ちたばかりの世界に私は足跡を残す
遠くにみえる世界は光に包まれざわついていた
ただそれは起きたばかりの目には眩しすぎて
私はふいっと視線を反らしながら路地の闇へと身を隠し
ただただ独りから離れるように
行き先を決めずに
歩き始める
頭痛は止まない
夢にまで関与してくるあの女は死んでも尚
私に危害を加えてくる
殺しても
喰らっても
何をしても忌々しい女は
私を捨ててくれないのだ
『あぁ.........コロシタイ..。』
目の前には路地裏にたまる男子数名
煙草の匂いは有り難いが喰うとなると少し別で
あまりに不味くて喰えたものではない
ただその筋肉質で程よい脂肪
プラマイ０で合格点である
角の路地から抜けてするりと私はリミッターを外した
次に目を覚ました時には
目の前は血の海に染まっているんだろう
微睡んでいく儚い意識の中で私は笑みを隠しきれなかった
何故か？馬鹿らしいほどに単純かつ複雑
私が狂おしい程に人類とはかけ離れていることに
歓喜しか湧かなかった自由への執着に
まだあの女との血の繋がりがあるこの体に
それに唆された私という人格に
私は
この認知されていない
望まれざる生を
人生といっても良いのだろうか
彼等のレクイエムが自身の悲鳴であることに
感謝と嘲りを捧げて
また他者の血を浴びながらに
あの店を訪れていた
『ウタ君〜』
痛みも悲しみも関係ない
蓄積された習慣が私に嘯けと囁いて
無意識の内に
私は別人格に蝕まれた
取り残された私は
まるで他人事のように
自身と話すウタと
楽しそうに笑顔を見せる
彼女に似た顔を
下らないと見ていた
続く
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ヲウル(プロフ) - 励みになる応援ありがとうございます！更新頑張りますね！ (2017年10月15日 1時) (
レス) id: f858219580 (このIDを非表示/違反報告)
アイスゥ - 更新頑張って下さい。 すごい文章力ですね………。気長に待ってまーす！！ (2017年10月14日 13時) (レス) id: 0af8a34735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲウル | 作成日時：2017年10月13日 17時
