妖精の尻尾最強の女魔導士『妖精女王(フェーレイン)』4 (ページ28)

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#177 戦い前夜─ルーシィ・ナツ・ハッピー─ ページ28

─ルーシィ宅─

ル─妖精の心臓(フェアリーハート)。それは、尽きる事のない永遠の魔力だった。
ゼレフはこの魔法を手に入れる為に攻めてくる。あたしたちはそれを守らなくてはならない。決して悪用されてはならないものだから。
ううん……、もの(・・)じゃない。あれは初代の体。それだけでもあたしたちには守らなきゃいけない意味があるんだ。
だってこのギルドをつくったんだよ。
初代がいなければ、あたしたちの出会いはなかった。─

ナ「お！いい事言うなー」
ハ「さすが小説家志望だね」
ル「！」

1人で居たはずの家にいつの間にか両脇から覗き込んでいるナツとハッピーに驚くルーシィ。

ナ「初代がいなければ」
ハ「あたしたちの出会いはなかった！」
ル「………」

ルーシィが書いていた文章を読み上げる2人に顔を赤らめるルーシィ。

ル「あんたたちまた勝手にあたしの部屋に！」

そう叫びながらルーシィは椅子を2人(？)に向かって蹴り飛ばす。

ナ「別にいーだろ」
ハ「あい。街はしーんとしててつまんないし」

しかし、それは2人(？)共にさっと躱される。

ル「そっか。住民の避難が終わったのね」
ナ「だーかーら！遊ぼーぜぇ〜」
ハ「ホラ、いろいろ持ってきたよ」

ハッピーは持ってきたカードゲームやボードゲームの道具を出す。

ル「明日には敵の到着予定地に行くのよ。こんな時に……」

ルーシィは椅子に座って足を組み、呆れたようにそう言う。

ル「だいたい、あんたたちと違って、あたしは戦いにわくわくしてないし」
ナ「！」
ハ「オイラもしてないよ」
ナ「確かにオレは戦いが好きだがちょっと勘違いしてるぞ。オレが好きなのは力比べだ。殺し合いじゃねえ」

ナツの真剣な眼差しにルーシィはキョトンとする。

ナ「全力で戦ってどっちの力が上かって話なら大好物だ。だけど今回は違う。
勝つ為なら何だってやる。勝たなきゃ生き残れねえからだ」

ナツの言葉にルーシィは微笑んだ。