妖精の尻尾最強の女魔導士『妖精女王(フェーレイン)』4 (ページ20)

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#169 アルバレス帝国ページ20

ル─ そして、黒魔導士ゼレフは、皇帝スプリガンを名乗り、アルバレスの頂点に君臨していた。
妖精の尻尾の地下にある初代の体……、ルーメン・イストワールを手に入れる為に動き出そうとしている。
戦いが始まる。おそらく、今までで一番厳しい戦いになる。
誰も失いたくない。いつものように勝利して……、こうしてみんなといつまでも笑っていたい。
この時は、それだけが、あたしの望みだったんだ…。─

騒がしいギルドの中、マカロフが杖を床に叩きつける音が響き渡り、騒がしかったギルドの中は一瞬にして静まり返り、メンバー全員がステージ上のマカロフを見る。

マ「皆……すまなかった。言い訳はせん。皆の帰る家をなくしてしまったのはワシじゃ。本当に、すまない」
ビ「メストから聞いたぜー」
フ「オレ等を守る為の、判断だったんですよね？」
ｴﾊﾞ「気にしてないわよ」
『言い訳の必要も無いわね』
ﾘｻ「そうよ、ギルドはもう復活したんだから!!」
カ「辛気臭い顔すんなョ、酒がマズくなる」

ギルドの皆が声を上げるもマカロフは表情を変えずにステージの階段を下り、机上の地図の前に立つ。

マ「さらにワシの策さえ無意味じゃった。アルバレスはここに攻めてくる」

マカロフはアルバレス帝国のある位置においてあった城の駒を杖の持ち手に引っ掛けてマグノリアのある位置に置いてある妖精の尻尾のギルドマークの駒の方へ引き寄せる。

マ「巨大な大国が、このギルドに向かい進軍してくるのじゃ」
ナ「それがどうしたァ!!!」

静まり返ったギルドの中、ナツが声を上げる。

ナ「オレたちは今まで、何度も何度もギルドの為に戦ってきた。敵がどれだけ強かろうが、大切なものを守りたいって意思が、オレたちを強くしてきたんだ。
恐怖がない訳じゃねえ。どうやって下ろしていいかわからねえ重荷みてーだよ。
けど……、みんながきっと手伝ってくれる」

地図はナツが置いた手の位置からジリジリと焦げ拡がっていく。

ナ「本当の恐怖はこの……、楽しい日の続きがなくなる事だ。もう一度みんなと笑って過ごせる日の為に、オレたちは戦わなきゃならない」

地図が焦げ拡がった熱はやがてアルバレスの城の駒を燃やす。

ナ「勝つ為じゃねえ!!!!生きる為に立ち上がる!!!!それがオレたちの戦いだ!!!!」

その言葉に皆の表情は明るいものになった。