所詮は他者の想いのオモチャである。

第３２話 ページ33

Gaster〔そして、ニンゲンの子が君を殺し始めた。君は‘女の子’の身体を手に入れた事で、殺されてもその場で即時蘇生(LOAD)をされる様な身体になっている。だが、偶に不具合(バグ)で記憶(DATA)が消されている事も確かにあったんだよ〕

Aは‘女の子’と一体化した後に、不完全な即時蘇生(LOAD)を使用している事をGasterはAへと明かす。

「俺は今、不具合(バグ)で記憶(DATA)がないと言うことか」

Gaster〔悲しい事だけれど、そういう事だね。だが、その記憶(DATA)が即時蘇生(LOAD)される度になくなっていることの方が多くなっているんだ〕

「…次にもし、殺されたら…」

Gaster〔彼等との会話も何もかも忘れているかもしれない。でも、覚えているかもしれない〕

ココアを持つGasterの手に触れる。

「お願いがある」

Gaster〔君の願いなら〕

GasterはAへと優しく微笑む。

「多分、こう…黄色い服が特徴のドリームってやつで、でっかい筆持ったのがイン───────」

Gaster〔彼等なら知ってるよ〕

「…そうか、あの絵…ガスターがフリスクに？」

Gaster〔そうだよ。鋭いね〕

Aが飲み干したココアのカップに新たなココアを入れながら、Gasterは話す。

「ドリーム、インク。エラー。もしアンタの所に訪ねてきたら、俺の事を話してくれないか？」

Gaster〔忘れてしまった時の話をしてるんだね〕

「…そうだ。凄く、その…怖くてな」

Gaster〔…初めてだね。恐怖を自ら口にするのは〕

「迷惑かけるのが怖くてな」

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