所詮は他者の想いのオモチャである。

第２４話 ページ25

瞳を震わせ戸惑いを隠さないDREAM。

そんなDREAMを落ち着かせる為に、DREAMが握っている拳へと右手を重ねるA。

「ドリーム、早計にならないでくれな」

DREAMはAが重ねた右手を両手で包みながら、深呼吸をして落ち着きを取り戻し、お互いそのまま話を進め始める。

DREAM「初めに起きたのが、プレイヤーの死。君の世界はそのプレイヤーによく似た君を殺す為に作られた…」

「その写真を持ってからあの世界も変なんだ」

DREAM「世界の方も、変…？」

「アイアンメイデン、ファラリスの雄牛とかって、知ってるか？」

DREAM「それ…は…」

口篭るDREAM。

流石にアイアンメイデンで、ファラリスの雄牛も大体の何かとは察してしまったようだ。

「反応的には…知ってるみたいだな」

左手に持っている写真をAはヒラヒラと動かす。

この写真を持っているのがキーだと伝える為に。

「そういうのにしか見えなくなったんだ、ベッドやおもちゃが全部全部な」

写真をズボンのポケットに丁寧に入れると、DREAMが両手で包んでいた右手に新たに左手を添える。

「…そこで…俺は尚の事、あの絵を描いた子を探したいと思ったんだ」

DREAM「でも、その子は…」

Aを殺す為に作られただけの存在。

「俺は、信じたい」

強くDREAMの手を握ったAはDREAMの目を見つめる。

「あの絵を描いた子を」

DREAM「うん…！ …だ、駄目だね、僕…皆のポジティブな感情を司ってるのに…」

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