5. ページ5
．．．
『七海ってあんなかっこよかったっけ？』
家に帰ってシャワーを浴びて、メイクして服を着替えたら硝子先輩との約束の時間にちょうど良かった。
硝子先輩と飲む場所は大体いつも同じで、だし巻き玉子と焼き鳥が美味しい店だった。
美味しい料理にはお酒が進む訳で、今日はいい具合に酔いが回っていた。
「確かに、高専の時にはない色気あるよね。」
『ですよね？！絶対色んな女抱いてきたんだ〜。』
「まぁ、七海程のスペックがあればモテないわけないよな。」
そう言って、日本酒をグイッと煽る硝子先輩の顔色は入店してから全く変わっておらず、ほんとこの人酒豪だなと毎回思う。
『…やっぱりモテますよね、七海。』
「そりゃあね、Aも七海と別れて彼氏がいたし、七海もそうじゃないかな。」
『……』
「…未練、やっぱり残ってた？」
たかが学生の恋愛なのにこの人を一生好きなんだろうな、結婚したいなと思うくらいには好きだった。
2人の未来は一緒だと、信じて疑っていなかった。
しかし、現実はそう上手く行くはずもなく
私達は2人で先のことを考えて、別れを選んだし、受け入れた。
嫌いで別れていない。好きなままだった。
大きな恋心は小さくなることを知らず、私の心の底に根ずいていた。
そんな恋心を断ち切ろうと違う男と付き合って、
キスをして、抱かれて。
なんて、年齢相応の恋愛経験を積んでみたけどやっぱりどこかで七海と比較してしまう。
それくらいには未練タラタラだった。
『…世知辛い世の中。』
「アハハ」
机に突っ伏す私を硝子先輩は声を上げて笑った。
ひどい、私結構傷ついてるのに。
「あれ、硝子とAじゃん！」
嫌な予感がする声がした。
「なんだ、また混ざりに来たのか。」
「偶然だよ、偶然。七海もいるからさ、相席しよ」
『…は？』
勢いよく顔を上げるとそこには青いシャツにベージュのスーツが良く似合う今日の話題の中心である七海がいた。
え、は？無理だよ。今日は話せない、どうしようって言う相談会だよ？？
なんて、アルコールで霧がかる私の脳が理解に追いついていない間に硝子先輩が私の隣に来て、目の前に七海が座った。
『え、え、待ってください無理ですって。』
小声で硝子先輩に言ってもニヤッと笑うだけ。
あ、これ硝子先輩も結構酔ってるな？
とりあえずこの状況に酔いが覚めた私は前のように逃げるという選択肢は消されたことを理解した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 562人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
森 - ああもうなんなん!?好きすぎるんやけどホンマに‼(逆ギレ) (2022年2月1日 23時) (
レス) @page12 id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
emma(プロフ) - Ronnyさん» Ronnyさま、コメントありがとうございます。とっても嬉しいですありがとうございます(TT)またちょくちょく書いていきたいと思いますので、その時に覗いていただけたら嬉しいです！ (2021年3月5日 19時) (レス) id: 83ec74c2f0 (このIDを非表示/違反報告)
Ronny(プロフ) - あぁああああ好きです好きです!!!お気に入り登録しました!更新頑張って下さい! (2021年3月5日 19時) (レス) id: d499d51969 (このIDを非表示/違反報告)
emma(プロフ) - 東雲さん» 東雲さま、はじめまして。コメントありがとうございます。とっても嬉しいです、励みになります(TT)ご期待に添えるよう、頑張ります！！ (2021年3月5日 18時) (レス) id: 83ec74c2f0 (このIDを非表示/違反報告)
東雲 - はじめまして！最高です、とても面白いです。続きを楽しみにしてますね！ (2021年3月5日 18時) (レス) id: ea3b01b8d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：emma | 作成日時：2021年3月4日 23時
