クリスマスデート？ ページ27
お互いがこの後の予定を心待ちにしていたからか
任務を早々に終わらせることができた
今は王都の街並みを一望できる
開放感のあるテラス席でランチをとっている
以前兄上に連れられ来たことがあるパスタの有名店
併設されたチャペルからはときおり鐘の音が響く
その美しい景観も合わさってAは
とても感動しているようだった
希薄で澄んだ冬の光がAの瞳を照らす
未だ視線の合わないその煌めくような目を
見つめ続けていたからか
Aとの将来を少し想像してしまった
「私達ってどんな人と結婚するんだろうね！
レオはとんでもないお嬢様かなやっぱり」
この景観とAがこんな爆弾発言をしたせいだ
全くもってオレらしくのない所に来てしまったが
Aが喜んでくれたのなら良かった
ランチを終えてオレたちは悩んでいることがあった
それは姉上へのプレゼント
ジビエ料理が好きだから王都の料理もどうにも違う
「やはりお酒では?」
Aがそう言うがオレたちは酒が買えん
悩みきっていた所に掴みどころのない人物が来た
「おー。熱血真面目大王の所のお二人さん
デート?お熱いねーヒューヒュー」
黒の暴牛の団長
以前Aの首根っこを掴み投げてきた危険人物だ
「あー！ヤミ団長お久しぶりです！
揶揄わないでくださいよ。今は紅蓮の獅子王の
皆へのクリスマスプレゼントを探してるんです！」
それにAはこの人物に相当懐いている
「なんだよつまんねーな
じゃ、頑張れよー」
この場を離れようとした団長のローブを
Aは引っ張って止めた
「待ってください！メレオレオナ様のプレゼントは
お酒がいいと思うんですけど、私たちじゃ買えないので
ヤミ団長買ってきてくれませんか！！」
「離せ犬っころ！！オレをパシリにする気か！！
それにオマエら飲酒するつもりはねーよな！？
バレたら魔法騎士団に捕まるぞ！」
「「それは絶対にない！」」
「やっぱ仲良いなオマエら」
姉上へ贈る酒を2人分買ってきてくれた団長は
Aにこう言い放ち去って言った
「そういや犬っころ
その髪型って隣の爆発ヘッドくんとお揃い？
やってる事可愛いのな」
顔を赤らめて俯くA
やはり視線は絡まることはない
お願いだ
どうかこちらを向いてほしい
冬特有の朔風が吹き、Aの美しい髪を揺らす
普段は晒すことのないそのうなじをオレに見せている
また心が満たされる感覚に陥った
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作者名：お腹すいた | 作成日時：2023年5月31日 11時
