助太刀の失敗 ページ26
「兄上ェ！失礼致します。
今お時間よろしいですか！
任務外のことで大変恐縮ですが…」
「レオか。大丈夫だ。どうした？」
「ありがとうございます！ところで兄上
兄上はAと共にイルミネーションに
行かないのですか? Aが行きたがっていて…」
「それは本当か?
Aは私と行きたいとは思っていないと感じるが」
「兄上はAに香水を贈るほど
親しい仲なのでしょう！
何故アイツの気持ちを汲んでやらないのですか！」
「レオ、オマエ何か勘違いしていないか?
私は香水は贈っていない
贈ったのはルームフレグランスだ
それにAとはそういう仲ではない
随分と、Aのことを大切に思っているんだな」
兄上は何故か嬉しそうに微笑んでいた
「兄上！！かっ、揶揄わないでくださいッッ！！」
兄上とAが何もないことを知り
何故かホッとしている自分がいた
数日後
今日はクリスマスイブ
これから任務だというのに
髪の乱れや隊服がだらしなくないか
身だしなみに気を遣っている自分に驚いた
「今日は早く任務を終わらせて、プレゼントも買って
イルミネーション見に行こうね!楽しみ〜！！」
Aもすごく楽しみにしているようだ
いつもはおろしている髪型も
今日は三つ編みで一つにまとめているらしい
「A。いつもの髪を下ろしているのも良いが
その三つ編みもよく似合っているな！」
そう素直に褒めたら
Aは照れたように微笑んだ
オレはこの表情を見ると何故だか
心がすごく温まるような、満されるような感覚になる
以前の兄上と出かける時のAより
楽しみしているように見えるのは気のせいか
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作者名：お腹すいた | 作成日時：2023年5月31日 11時
