レオの盛大な勘違い ページ25
2人は愛し合っているのかもしれない
疑惑の念を抱いたのは先日
Aはオレと共に任務だった
いつもはアジトに戻り時間があれば
その後特訓をするのが暗黙の了解なのだが
その日、Aは予定があると言っていたし
その予定をすごく楽しみにしている様子だった
その日はオレも任務後に兄上と姉上へ渡す
クリスマスプレゼントを探しに王都に向かった
「抱き寄せてもらった時に団長から
いい匂いがしたし、大人の余裕を感じたし
かっこいいし頭がパンクしそうです!」
兄上とAの声が聞こえた
その後のプレゼント探しは全く集中できなかった
それに兄上は
Aへ香水をプレゼントしたようだ
男性から女性へ香水をプレゼントする意味は
『独占欲』の表れ
キルシュがミモザにそう話していたことを
偶然思い出した
尊敬し越えるべき存在の兄上と
ライバルであり友人のA
その敬愛している2人が愛し合っている
喜ばしいはずなのになんだこの胸の痛みは!?
頭を抱えながら叫んでいると
そこにAが通りがかった
「レオ!どーしたの?平気!?」
「いや、なんでもない
見苦しいところを見せてしまってすまんな」
本当に?と心配しながらオレの顔を覗き込む
やめてくれ
Aが動くたびふわりと、
その香水のほのかな香りが広がる
兄上がAに贈ったもの
軽やかで柔らかで清新な
その花の香りはAにぴったりだ
イメージにとても合ってる
兄上はAをよく理解している
何故だが胸が苦しい
「レオ、そういえばさ!
クリスマスイブの日の任務終わった後って暇?
一緒にイルミネーション見に行こうよ!」
イルミネーション…。恋人達が見に行くものか
オレは電飾にはあまり興味がないが、
Aが行きたいなら共に行こう
「って違うだろう!?何故兄上と行かないんだ!?」
「どうした急に!?それに団長絶対忙しいよね!?
恐れ多すぎるよ!」
兄上と姉上と団員達へのプレゼントも買いたいらしい
オレもまだ何にしようか決めていなかった
「レオは私とイルミネーション見たくない?」
「それは絶対にない!!!」
しゅんとした表情で言われ、
まんまと丸め込まれてしまった
Aとイルミネーションを見る約束をした
だが
もしAは兄上とイルミネーションを見たいけれど
遠慮して誘えないのであれば
オマエの友人としてオレが助太刀しよう
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作者名:お腹すいた | 作成日時:2023年5月31日 11時