悪の大魔導師と善の大魔導師二人の物語 (ページ30)

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記憶と友達の条件ページ30

タ「…しかしそいつらはなんで5年もこいつらを放置したんだ。居場所くらい分からないものか?」

はっ…ただ私の力が足りなかったんだ。私が弱かったからみんなも守れなかった。

マ「フィオ君がいたアルカンジュとエレナ君がいたアルエラからこのイデアル首都まで距離があるだろう。それに追っ手や海や検問だってあった…正直、ここまで来れないと思っていた人が多いんだよ」

サ「でも結果的には無事に辿り着いたわけだし…」

フィ「そう…ですね」

タ「アルカンジュとアルエラは今どうなっているんだ?」

マ「え?今はレマンの支配下だけれど…王都周辺は草木も生えない枯れた土地になってしまったと
話に…あ!ごめんフィオ君、エレナ君…君達の故郷なのに…」

フィ・貴「…それは私が…黙示録で/魂魔法で城を吹き飛ばしたから」

サ「え?フィオとエレナが?」

タ「…」

流石にまだ黙示録で…なんて言えないな。でも、近いうちに知られそう。

フィ「作戦会議をするのですから私達も…覚えている事を話さなくてはなりませんね。___…５年前の戦争の時の事を…私達が覚えているのはこの前の黒い化け物…アドバンと言いましたかね」

貴「あれが街を飲み込んでいく光景。それを操る赤いフードの人達。その中でも…凄まじく強い…」

貴・フィ「『恐ろしい者』がいた…/いました…」

タ「__…赤いフード…お前は知っているのか?」

マ「うん。皇帝直属の従者達だよ。精鋭揃いと聞いているけれど…」

サ「『恐ろしい者』ってどれくらい強いの?」

フィ「アルカンジュの大魔導師が束になっても…一分と持ちませんでした。杖の力は使えなくても…暴走させることくらいはできましたから…私を逃がすために皆、杖を使って城ごと吹きとばせと…」

貴「私もフィオと似たようなものね」

タ「で?」

貴・フィ「え?」

タ「その『恐ろしいもの』とやらは殺せたのか?」

貴・フィ「…/ﾋﾞｸｯ」

フィオを怖がらせないでよ。

フィ「あ、その…魔法の発動と共に傍にいた母が私だけ、おじい様の元に飛ばしたので…そのあとは…」

マ「なるほど…だからフィオ君達は助かったのか。その『恐ろしい者』の顔は見たのかい?」

フィ「___…顔は覚えていなくて…でも髪は純白だったような…」

マ「純白?それは俺も見たことがないな…見間違いじゃないかい?」

フィ「すみません。そうかも…しれません」

マ「謝ることは…むしろ俺の国が君達や君達の国にした事の方が謝るべきだ」

サ「そうだよ…フィオ達は悪くないよ!」

貴「二人とも…」