悪の大魔導師と善の大魔導師二人の物語 (ページ28)

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英雄メイビスの手紙ページ28

?「ここは極貧層の住む…まぁスラムってとこさ。そんな高そうな布を着飾って金貨なんか出してみろ、目をつけられてあっという間に売られるぞ。そもそもお前らの格好もここらじゃ小綺麗すぎる」

メ「(やはり…)つまり、貴方は私達を助けて下さった…という事ですか?」

?「そういう事だ。早くその礼金を出せ。さっきの奴らから逆に金を巻き上げるつもりだったのに惜しかった」

フォ「君そんなこと考えていたのですか!?」

?「ほら、さっさと金をよこせ」

フォ「ええっとそんなに今持ってなくて…足りなければまた持ってきますのでその…王城までの帰り道を教えていただけないでしょうか?」

メ「(言っていいのかな…もう遅いか…)…貴方と走っていたら道がわからなくなってしまって」

?「王城までの帰り道を…?…お前達…もしかして『姫』なのか…?」

メ・フォ「ええ/はい…」

あの時、私には貴方が悪い人には見えなかった

?「いいぞ、助けてやる。金はいらん。その代わり、僕をお前らどちらかの召使いにしろ」

フォ「召使い…ですか?」

メ「(召使い…フォリアの方についた方がいい。私の方に来てしまったら負担がかかってしまう)」

?「あぁ、拒否権なんてないけどな。なんせ、ここはもうすぐ夜だ。お前達は気づいてないかもしれないが、お前達の事を狙っているやつが周りに沢山いる。当然だ。君たちを一目見れば売り飛ばせば金になる人間ということがわかる。どうする?」

フォ「…その、召使いは構わないのですが…」

メ「私達は姫でも…(言えない。私達が城で疎まれていること…ここで見捨てられちゃ…)」

?「……まぁいい。契約成立だ。いいな、絶対にだぞ。改めてターフェアイト・スピネルこれからよろしく、お姫様」

あの日に戻れたら

フォ「すみません、申し遅れました。アルカンジュ王国第一王女フォリア・フォスフォール」

メ「アルエラ王国第一王女メイビス・ミリアム。姫ではなくどうか名前で気軽にお呼びください」

どんなにいいだろう

メ・フォ「これからよろしくお願いします、ターフェアイト」

タ「…召使いがそう気軽に呼び捨てに出来るわけないだろ。まぁ…よろしく。メイビス、フォリア」

フォ「じゃあこっそり呼んでください」

タ「あーわかったわかった…さて…今から行くところだが……その格好だとまずいな」

タ「お前達、その服脱げ」

メ・フォ「え?」

これは、貴方が悪の大魔導師になることを止められなかった私の後悔の記述