悪の大魔導師と善の大魔導師二人の物語 (ページ25)

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英雄フォリアの手紙ページ25

もしかしたら、これを今読んでいる君からすれば数百年前の話になるかもしれません

数百年前___

～アルカンジュ王国首都メザンジュ～

サ「おい、フォリアにメイビスまた隠れて城下町か?兄さんや叔父さんに怒られるぜ」

フォ「サンドラ義兄さん夕方までには戻りますから!」

メ「ご心配ありがとうございます!」

サ「は?ちょっと、待………心配なんかするわけないだろ化け物が。そのまま事故にあって死んじまえ」___

「おい、早く金を出せ!お前がぶつかってきたんだろ!」

?「金?ありえないね。あんた達がぶつかってきたんじゃないか」

「生意気言いやがって…ここに住んでてルールも知らないってか?」

メ「待ちなさい」

「あ?お嬢ちゃん何だ、あっちいきな!」

フォ「あなた達これを」ピンッ

「!き、金貨…!?」

「本当かよ!」

フォ「ルールは知りませんがお金です」

メ「これで文句はないですよね?」

?「馬鹿が…」ｽﾞｻﾞｻﾞドスッ

「このやろ!」ぐるん

ｶﾞｯ!! ﾄﾞｻｻｻ

?「おいそこの馬鹿。なんで金かなんか渡した」

フォ「え?その…」

メ「私達は君が怪我のないように…と思いまして」

あの日のことは私の宝物

?「とんだ馬鹿娘だな」ダン

?「ともかく無事でいたいなら走れ」

メ「えっ待ってくださ…」ﾀﾀﾀﾀ

君が純粋に私達を助けてくれたのだから…勘違いかもしれないけれど

フォ「はぁ…はぁどうして走ったのですか」

?「どうして?お前達はここをどこだと思っている」

メ「町の中…」

フォ「(黒髪…初めて見た…目も美しい夕闇色で顔もすごく整ってキレイな男の子…)」

?「本物の馬鹿だな。馬鹿すぎて呆れる。まぁ馬鹿じゃなきゃ金貨なんか投げないか」

フォ「(___…にすごく馬鹿にされてる…)」

?「一つの町の中にもいろんな場所があるってパパに教わらなかったのか?」

?「ここは極貧層の住む…まぁスラムってとこさ。そんな高そうな布を着飾って金貨なんか出してみろ、目をつけられてあっという間に売られるぞ。そもそもお前らの格好もここらじゃ小綺麗すぎる」

メ「つまり貴方は私達を助けて下さった…という事ですね?」

?「そういう事だ。早くその礼金を出せ。さっきの奴らから逆に金を巻き上げるつもりだったのに惜しかった」

フォ「君そんなこと考えていたのですか!?」

?「ほら、さっさと金をよこせ」

フォ「ええっとそんなに今持ってなくて…足りなければまた持ってきますのでその…王城までの帰り道を教えていただけないでしょうか?」